車両調達から運用支援、遠隔監視までワンストップで
事業のターゲットは地方自治体や交通事業者、民間企業。定時・定路線バスとオンデマンドバス、ロボットタクシーの3領域を想定し、自動運転の導入から運転支援までワンストップサービスとして提供する。
具体的には、次の3つのサービスが柱となる。

NTTモビリティの事業概要
車を用意する「自動運転車両提供・管理サービス」においては、地域のニーズに合ったベース車両と自動運転システムを調達。車両の保守・メンテナンスや故障時の駆け付けにも対応する。
2つめの「自動運転導入・運用支援サービス」は、ルート設計やマップの作成・チューニングのほか、「運用人員向けのトレーニングにも対応する」(山下氏)など、幅広い支援を行う。
3つめは「遠隔モニタリングシステム提供サービス」だ。自動運転のレベル4(LV4)で必須となる、緊急自体の把握・対処のための車両内外のモニタリングを構築・提供。乗務員業務のAI化なども視野に入れてシステム開発を進める。
「地域密着」「共通化」で自動運転の3つの課題を解決
山下氏は、NTTモビリティの取り組みのキーポイントとして「地域密着」と「共通化」を繰り返し強調した。
同氏によれば、自動運転の社会実装を阻む課題として次の3つが挙げられるという。自動運転そのものの安心・安全、全国各地のニーズに合わせたサービス展開、そして、長期運営を可能にするサステナブルな事業運営だ。NTTモビリティは、NTTグループ会社が日本全国で事業を行う体制を活かして、地域に合わせたアプローチを積み重ねることで知見を蓄積。「案件と自動運転の台数を増やすことで、共通化の効果を出す」とした。

自動運転の課題解決に向けたアプローチ
自動運転の安心・安全の確保に関しては、「地域密着の対応ができることは大きなアドバンテージ」として、地域ごとの環境に沿った導入支援や駆けつけ対応ができることをアピールした。無線を含む通信の安定化技術も、「遠隔モニタリングの品質向上に貢献する」。
また、現在の自動運転は車載センサーからの情報への依存度が高いが、路側インフラから得る情報も含めて危険や異常を検知する「路車協調技術・システム」によって安全性をさらに向上させる。

路車協調システムのイメージ
IOWN技術で「車両コストの低減」も
2つめの課題に挙げた全国各地でのサービス展開については、自動運転車両や自動運転システムによって異なるオペレーションを「NTTモビリティが共通化・標準化することで、導入スピードを早める」(山下氏)。同時に、各地域ごとのニーズに合わせた運行形態や支援体制にもきめ細かく対応する「バランスが重要」と話した。
サステナブルな事業運営については、「共通化部分の拡大と体制の共通化によって運営費の適正化」を図る。自動運転の基盤となるデータ活用に関しても、「地域ごとに蓄積されがちなデータを統合運用する」ことで効率化する。
また、将来的には、現在は車両ごとに搭載されている走行制御機能のクラウド化も目指しているという。「IOWNの通信高速化技術によって、車載の走行制御機能をクラウドで動かすことが可能になると考えている。車両コストの低減に寄与する」

統合モニタリングのイメージ
NTT武蔵野研究開発センタでは、複数車両・複数ベンダーの自動運転車の統合モニタリングシステムの開発も進める。通信の安定化やAIによる効率化に向けて、NTT独自の技術も投入。2026年4月から実証を開始する予定だ。

2026年以降の取り組みと事業展望
2026年以降、全国各地での導入・運用支援の体制づくりを進め、「レベル4の実現とともに2028年から順次、全国各地でのサービス展開を始める」計画だ。当初は路線バスから開始することを想定しており、徐々に事業領域を拡大。2030年代には1000台以上の運行支援を目指す。












