2014年にも4G技術による高速通信が登場
さらに布施田氏は、LTEの発展系となる4G規格、LTE-Advancedに言及。300Mbpsを超える高速通信に必要な帯域を確保するために「3GHz以上の周波数の活用を想定している」とした。
4Gでの利用が想定されている3-5GHzの帯域では、すでに3.4-3.6GHzについて7月の情報通信審議会技術分科会が技術基準を答申しており、年内に制度整備が行われる見通しだ。総務省は2014年にこの帯域の割当を行う方針を打ち出しており、布施田氏も「2015年度のサービス開始に向け、適切な時期に割当を行う」とした。3.6-4.2GHzについても衛星通信などとの共用条件を継続して検討するという。
情報通信審議会での3.4-4.2GHz帯の干渉検討 |
また、LTE-Advancedの技術については、制度上、既存の携帯電話周波数帯への導入も可能になるとし、「来年、4Gの技術を使った高速通信が登場する可能性がある」という見方を示した。
3-5GHzの帯域については欧州、米国、中国などでも利用に向けた議論が進められている。特に欧州ではFDDとTDD両方式の導入が可能とされている3.4-3.6GHzについて今年12月に方式を一本化する考え。標準化機関のCEPT(欧州郵便電気通信主管庁会議)は「TDDを好ましいアレンジメントとし、FDDを代替として維持する」方向性を示しており、今後欧州委員会での意見公募が実施されるという。布施田氏は「この動きも参考にしながら、国内の割当を考えていきたい」と述べた。
欧州における3.4-3.6GHz帯の動向 |
ITUでも来年2月から5Gの検討が始まる
さらに、布施田氏は2020年頃の実用化が見込まれている5Gについても触れ、すでに欧州のMETISや中国、韓国などでコンセプト作りが進められており、ITU-Rでも来年2月から議論が始まると述べた。
日本でもARIB(電波産業会)でコンセプト作りや2020年に実用化が見込まれる技術の検討が行われており、ITUでの議論にも積極的に参加していくという。