用途に応じ回線使い分け 異キャリア冗長も検証
今年のIP PAVILIONでは、回線も現実の放送現場に近づけるため、あえて3社の多様なサービスを混在させている。
まず、東陽町データセンターから幕張メッセ間は、輝日の「Infal」とソニービズネットワークスの「NURO Biz」の2系統冗長で接続。Infalは専用線とベストエフォート回線、NURO Bizは2G回線を使用している。この異キャリア回線でSMTPE ST 2110-7(パス冗長)を組む検証が行われた。輝日側では、光減衰が大きい距離でファーウェイ製光変換装置を使った実験的構成にも挑戦し、輝日 代表取締役社長の佐藤大哲氏は「商用では難しいチャレンジができた」と語った。

「IP PAVILION」のネットワーク構成
在阪3局と渋谷スタジオから東陽町デーセンターは、輝日またはNURO Bizで接続。輝日のネットワークは全拠点を同一L2で扱い、マルチキャストで1つの送信機から各社へ素材を配信する構成だ。そして幕張メッセ・MBS間はリモートプロダクション用途で実績を重ねる「docomo business APN Plus」で接続した。
Zabbixで統合監視 GPS受信状況もモニタリング
このような複雑な構成を取るため、監視がより重要になる。統合監視システムをZabbixで構築し、各回線帯域の状態、映像ストリーム、PTP同期用のGPS受信状況、クラウド内の仮想機器の状態を一元的に確認できる監視センターを設置した。












