USBモデムは“下り3Gbps” ローカル5G向け高利得アンテナも
IDYが2024年4月にローンチした5G USBモデム「iS201B-102」も見逃せない。5G用SMAアンテナ端子×4とGNSS用SMAアンテナ端子×1を装備し、ドローンやロボットなどに適したUSBバスパワーで動作する点が特徴だが、通信速度も群を抜いている。

5G Rel.16準拠USBモデム「iS201B-102」
iR800B-102と同様に、MT8000Aを疑似基地局として用いた環境下で、iS201B-102をパソコンに挿入し、iPerf3で通信速度を測定した。iS201B-102は、SoCを介さずにデータ転送を行うことでオーバーヘッドを最小限に抑えることができるため、結果「下り最大3.0Gbps」という通信速度を叩き出した。
さらに必見なのが、IDYの豊富な5Gアンテナ群だ。技適取得済みの約30種類のアンテナを取り揃え、自社環境に合わせた最適なアンテナを選択できる。2025年8月には、ローカル5G向けの高利得アンテナ「iAN263-L5G-B3M」(以下、iAN263)の提供をスタートした。出力23dBm(約200mW)のPC(Power Class)3クラスでも高いEIRP(等価等方放射電力)を実現する、防水・防塵仕様のデュアルアンテナである。

ローカル5G向け 最大+6dBi 高利得アンテナ「iAN263-L5G-B3M」
これまで5G端末の送信出力は、PC3クラスの23dBmに制限されていたが、総務省が2024年9月に施行した省令改正により、PC1.5クラスの29dBm(約800mW)へと引き上げられた。
PC1.5ではMIMO構成のみが認可されており、その場合、アンテナ1本あたりの送信電力は26dBm(約400mW)となる。3dBi(アンテナ利得)相当のアンテナをあわせて用いることで、29dBmのEIRPを実現できるが、送信電力の増加に伴い、発熱や消費電力の上昇といった課題が生じる。
そこでIDYでは、既存デバイスのPC3(23dBm)に、6dBiの高利得アンテナであるiAN263を組み合わせ、MIMO構成によりPC2相当のアンテナ1本あたり26dBmのEIRPを達成した。
「PC1.5と比較すると送信電力は3dBm低いものの、アンテナ利得により受信性能の向上が期待できます。また、HPUE(High Power User Equipment)に対応していない機器でも、アンテナをiAN263に交換するだけで導入が可能であり、発熱や消費電力の問題を回避しつつ、送受信の安定性を大幅に向上させることができます」と本田氏は説明する。
2025年9月には、LTE Cat.1 bis対応マイクロゲートウェイ「iG350B」も発売。LTE Cat.1 bisとは、従来のCat.1で必要だった2本のアンテナを1本に簡素化し、低コストかつ小型化を可能にする規格だ。2026年3月末にはNTTドコモの3Gサービスが終了すると発表されているなか、同製品を通じて3G停波後のスムーズな移行をサポートする。

LTE Cat.1 bis対応マイクロゲートウェイ「iG350B」
5G/ローカル5Gに加え、4G/LTEまでをトータルでサポートするIDYは、企業にとっての良き伴走役となるだろう。
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株式会社IDY
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