NTTコムとKDDIがSDN/NFVに意欲
午後のセッションでは、NTTコミュニケーションズ 代表取締役副社長の庄司哲也氏とKDDI サービス企画本部クラウドサービス企画開発部副部長の上田茂広氏が、それぞれ基調講演を行った。
NTTコムの庄司氏は、同社のグローバルクラウド事業の全体像を説明した上で、世界160カ国/地域で展開する広域網サービス「Arcstar Universal One」の今後のビジョンを明らかにした。
まず、10月に買収を発表したマネージド型ネットワーク事業者Virtela Technology Services社の事業を活用、サービス提供国/地域を196に拡大する。2014年3月にはSDN(仮想ネットワークオーバーレイ機能)によるセキュア通信の提供を開始する計画だ。庄司氏は「Virtual社の持つNFV技術を活用して、ネットワーク機器をソフトウェアで仮想化、低価格で提供するサービスも検討している」という。
NTTコミュニケーションズ 代表取締役副社長 庄司哲也氏 |
KDDIの上田氏は、この秋から取り扱いを開始した「Office 365」や「Google Apps」をはじめとした同社のクラウドビジネス戦略を説明した上で、それを支える次世代の技術基盤となるSDNへの取り組みを解説した。
上田氏は「SDNにはネットワーク機器のコスト削減、開通作業の自動化ができるなど多くの利点があるものの、SDNコントローラーが単一の障害点になることやスイッチがまだ高価であるなど課題もある」とする。KDDIでは、これらの解決策として既存のOpenFlowスイッチの数十分の1の価格で100倍の処理能力を実現でき、冗長構成にも対応できる「LightFlowSwitch」を開発しているという。
上田氏は「これを活用しSDNと超高速LTEネットワークを活かした新しい時代のクラウドサービスを実現していきたい」と意欲を見せた。
KDDI サービス企画本部 クラウドサービス企画開発部 副部長 上田茂広氏 |
技術セッションでは、日本ヒューレット・パッカード、NEC、日本オラクル、ジュニパーネットワークス、ノキアソリューションズ&ネットワークス、日本IBM、エリクソン・ジャパン、パロアルトネットワークス、Tail-f Systems、エーアイコーポレーション、アーバーネットワークスの各社が、SDN/NFVを中心とした次世代技術への取り組みとソリューションを紹介した。