セキュリティ機能のコモディティ化が進行する時代の「UTM」の価値とは?

ファイアウォールに各種セキュリティ機能を統合し、最近は次世代ファイアウォールとも呼ばれるUTMは、今やSOHOから大企業にまで広まっている。専用セキュリティ機器との違いを探る。

ユーザー規模ごとに違うUTMの魅力

前段で述べたように、UTMのニーズはTCO削減、セキュリティにかける負担の削減にある。しかし、その考え方や取り組み方は導入企業の規模によって異なる(図表3)。

図表3 企業規模によるUTMへのニーズの違い
企業規模によるUTMへのニーズの違い

大規模なユーザーの場合は、単なるコスト削減だけ考えればいいのではなく、コアとなるビジネスへの投資集中も考えなければならない。

たとえばオンラインサービスを運営する企業では、高速なレスポンスとユーザ情報の保護はビジネスの肝となるため、ロードバランサやIPSは高機能な専用製品以外の選択肢を選びにくい。

しかし一方で、ビジネスのコアとなる部分以外は一般企業と同レベルの対策で十分なのだから、すべてを単機能製品の組み合わせでそろえる必要はない。

つまり、システム全体のセキュリティの底上げとしてUTMを導入し、そのうえで特に注力すべきポイントには高機能な専用製品を組み合わせることで、重要なポイントを守りつつコストを最適化できる。

小規模ユーザーの場合、最新のセキュリティ情報の収集にまで手が回らず、現状ではファイアウォールのみで十分と考えているケースも多いだろう。しかし、最新の脅威には、ファイアウォールだけでは対抗できない。また、ファイアウォールだけの環境からUTMに置き換えると、一見すると高コストのようだが、アンチウイルスなど既存のセキュリティ製品を集約できること、スマートフォンを安全に活用できるようになるなどのメリットを享受できる。また、マネジメントサービスを選択すれば、導入から運用保守を専門家に任せることが可能だ。

月刊テレコミュニケーション2013年9月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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