NTTコム 庄司副社長「クラウドで企業のICT改革を推進」

NTTコミュニケーションズは「Global Cloud Vision」の下、クラウド/データセンター事業を強化している。企業のICT投資意欲が高まっている中で、今年度は6期ぶりの増収増益を目標に掲げる。「営業本部が中心になり、トップラインを上げたい」と庄司哲也副社長は意気込みを見せる。

――2012年度決算は、減収ながら過去最高益を記録しました。今年度は「増収増益」の予想で、実現すれば6期ぶりの増収となります。

庄司 当社は2011年に策定した新成長戦略「ビジョン2015」の下、クラウドとグローバル展開に注力してきました。

クラウドもデータセンターも先行投資の性格が強いため、ここ数年はコストコントロールを強めながらこれらにリソースを回してきました。それがようやく軌道に乗り始めましたので、今年度はいよいよトップライン(売上高)そのものを上げたいと考えています。

――日本企業を取り巻く環境もグローバル展開やスピード経営、リスク対応など急速に変化しています。企業のネットワークへのニーズ変化、ICT投資動向をどう見ていますか。

庄司
 ここに来て「アベノミクス」効果もあり、企業のICT投資への意欲が高まっていることを強く実感しています。これまで投資を抑制せざるをえない状況にあった企業、業界再編・統合によりICT環境を再構築する必要のある企業、今後の成長戦略としてグローバル展開を進めている企業など理由はさまざまですが、いずれにしろ自社の通信基盤を整備・高度化しようとのニーズが確実に高まっており、我々にフォローの風が吹いていると感じています。

NTTコミュニケーションズ副社長 庄司哲也氏

通信事業者の強みを前面に

――08年のリーマン・ショック以降、厳しい状況が続いてきましたが、ようやく好転してきたわけですね。そうした中で、今年度はどのような事業戦略を考えていますか。

庄司 この4月に有馬(彰・代表取締役社長)から発表させていただきましたが、企業向けサービス戦略「Global Cloud Vision 2013」に基づいて、通信事業者ならではの「グローバルトータルICTアウトソーシング」をお客様にご提案していきたいと考えています。

具体的には、基軸としてクラウド/データセンター事業の収益を2015年に2000億円超まで伸ばすことを目指しています。

――同事業の2011年の収益は840億円ですから、短期間に大幅な成長を遂げる必要があります。

庄司 4年間で3倍近くまで規模を拡大することになり、非常にチャレンジングな数字です。2011年10月にGlobal Cloud Visionを発表した時は、2000億円という数字は公表していませんでした。

しかし、今年は1300億円まで収益が拡大する見込みであることから、決して不可能な数字ではなく、社内を鼓舞する意味でも実現したいと考えています。

クラウドはこの目標達成に向けた1つの手段にすぎず、ネットワークからデータセンター、サーバー、アプリケーション、セキュリティまでトータルかつワンストップで、しかもグローバルシームレスに提供できる我々の強みを前面に押し出していきます。

――主要サービスの契約数も、プライベートクラウドが1000ユーザー増、パブリッククラウドが3100ユーザー増と意欲的な計画ですね。

庄司 「ICT環境のクラウド化を契機にして、最適のグローバルトータルICTアウトソーシングサービスを推進する」というのが基本スタンスです。クラウドサービス契約をテコに、関連ソリューションをご提案していきます。

――「グローバル」「クラウド」を押し出してICTソリューションを推進すると、海外の通信事業者やベンダーとの競合が避けられないと思います。どう差別化を図りますか。

庄司 どこに視点を置くかで競合企業は異なりますが、通信事業者では北米のベライゾンやAT&T、欧州のオレンジやBTは優れた技術力やマーケティング力を持っています。

一方、クラウド事業者としては、富士通やNEC、日立製作所などの国内ベンダーもいれば、アマゾン・ドット・コムやセールスフォース・ドットコムのようにグローバルに展開するプレーヤーもいます。

さまざまな競合企業がひしめく中で、我々はネットワーク事業者でありながら、一気通貫でクラウドサービス全般を提供できるところが強みです。このようにすべてを揃えている事業者は、世界中でも当社を含めて数えるほどしかいないのではないでしょうか。

加えて、「統合カスタマーポータル」も、他の通信事業者やSIerが提供しているポータルと比較しても遜色ないまでに機能が充実していると自負しており、他社との差別化ポイントとして積極的にご提案していきたいと思っています。

――統合カスタマーポータルは、ユーザー企業にどのようなメリットがありますか。

庄司 各サービスを一元的に「見える化」する新たな運用管理の仕組みで、お客様が自社のクラウドやネットワークサービスなどICTリソースの利用状況や故障情報、課金情報をリアルタイムに確認・把握するとともに、リソースの追加・削除や設定変更をオンデマンドに実行することで、システムのトータルパフォーマンスを最適化することができます。

一方、提供する我々にとっては、プロセスのフロースルー化を実現し、人手をかけないサービスとすることで、オペレーションコストの削減につながります。

月刊テレコミュニケーション2013年7月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

庄司哲也(しょうじ・てつや)氏

1977年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本電信電話公社入社。99年1月日本電信電話株式会社持株会社移行本部第五部門担当部長。同年4月同東日本会社移行本部企画部担当部長。同年7月東日本電信電話企画部担当部長。2002年7月日本電信電話第五部門担当部長。05年7月西日本電信電話人事部長。06年6月同取締役人事部長。09年6月日本電信電話取締役総務部門長、総務部門内部統制室長兼務。2012年6月NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長(現職)

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。