Wi-Fi活用した見守りソリューションも多数
CATV事業者は地域課題解決の担い手としての期待も高く、その一環として高齢者の見守りサービスを提供する事業者も少なくない。ケーブル技術ショーでは、各社が最新の見守りソリューションを展示していた。
ネットワーク機器メーカーのRuijie Networksは、壁面コンセント埋め込みWi-Fiアクセスポイントを活用した見守りソリューションを展示。スマートフォンやフロアライトなど、周囲のWi-Fi対応機器との間で電波のゆらぎ(変動)を検出し、人間の動作を検知する。電波の解析にはai6の技術を活用しており、Wi-Fi 5でもセンシングが可能という(参考記事)。今年9月にリリースする予定だ。
見守りソリューションに対応したRuijie Networks製壁面コンセント埋め込みWi-Fiアクセスポイント
古河電工はWi-Fi 7を活用したセンシングが可能な自社開発Wi-Fiルーターを展示した。IEEE 802.11bfで規格化されたWi-Fiセンシング機能を搭載。ルーター1台で空間内の動作センシングができ、追加機器不要で見守りを実現する。同ルーターはONUとの一体型であり、各家庭にはOLTとのセットで提供する。
古河電工のセンシング機能を搭載したWi-Fiルーター機能つきONU
60GHz帯利用の映像伝送にも注目
映像伝送ソリューションも数多く展示されていた。なかでも来場者の注目を集めていたのが、免許不要の60GHz帯電波を利用した伝送ソリューションだ。
映像配信のシステムインテグレーションを手掛けるイノコスは、4K映像をアイベックステクノロジーのエンコーダーで処理し、RADWINの60GHz帯無線機で伝送するシステムを展示していた。無線機は自動ビームフォーミング機能を備え、約1km離れた場所でも2フレーム程度の遅延で伝送が可能だという。
イノコスの60GHz帯を利用した映像伝送ソリューションの構成。奥の灰色の筐体1対が60GHz帯無線機
古河電工も同様のソリューションを展示。同社のONU/OLTと、Sikluの無線機、ミハル通信のエンコーダー/デコーダーと組み合わせた構成を提案した。
古河電工の60GHz帯映像伝送を行う機器構成(一部)。右端のピンク色の筐体がエンコーダー
競技場やイベント会場など、中継のために無線で映像を伝送するニーズは多いが、公衆網では輻輳が生じやすく、ローカル5Gは高コストだ。古河電工の担当者は「60GHz帯は専用線のように使え、コストはローカル5Gの10分の1」と話した。同社のソリューションはスポーツ中継で利用される予定があるという。