「私が1つ強調したいのは、『マカフィーはエンドポイントセキュリティだけのプレイヤーではない』という点。ガートナーのマジッククアドラントに示されている通りだ」――。マカフィーが6月5日に開いた記者会見の席上、こう話したのは米マカフィー エグゼクティブバイスプレジデント 兼 CMOのペニー・ボールドウィン氏である。
マカフィーのネットワークセキュリティについて、ガートナーはマジッククアドラントで写真のように位置づけているという。ネットワークIPS、Eメールセキュリティ、Webセキュリティのいずれもリーダーポジションとなっていることが分かる |
マカフィーと聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、やはりPC向けのアンチウィルス製品だろう。だが同氏の言う通り、マカフィーはクライアントからサーバー、ネットワークのレイヤまで、包括的なセキュリティソリューションを提供している。
例えば、IPS(侵入防御システム)についても10年以上にわたる歴史を有しているが、この日に発表されたのが、同社の次世代IPS「McAfee Network Security Platform NSシリーズ」の最上位モデル「McAfee Network Security IPS NS9300 Appliance」だ。
従来1億円超のパフォーマンスを4185万円で
NS9300は、親会社であるインテルと共同開発された製品だ。今回がネットワーク機器分野での初の協業になるそうで、インテルのXeonプロセッサを搭載している。
インテル 執行役員 ソフトウェア・サービス戦略本部 本部長の板越正彦氏は、「インテルとマカフィーは鉄板のツートップ。両社の強みが組み合わさることによって、他のIPSと比べても、非常に高いパフォーマンスを発揮する」とした。
その言葉通り、NS9300は従来モデルと比べて大幅なパフォーマンス向上を遂げている。マカフィー マーケティング本部 シニアプロダクトマーケティングスペシャリストの中村穣氏は従来モデルと比較しながら、そのパフォーマンスについて説明した。
インテル 執行役員 ソフトウェア・サービス戦略本部 本部長 板越正彦氏 | マカフィー マーケティング本部 シニアプロダクトマーケティングスペシャリスト 中村穣氏 |
NS9300はすべての次世代IPSサービスを実行しながら、同時に40Gbpsのパフォーマンスを1台で達成できるというが、中村氏によると従来モデルで同じ40Gbpsのパフォーマンスを実現するには、「4台のアプライアンスとロードバランサーのようなシステムが必要で、そのサイズは17Uになった」とのこと。NS9300なら、4Uのアプライアンス1台で済む。また、最大SSLフロー数についても倍の320万だ。
最上位モデルNS9300と従来モデルの比較 |
「インテルの技術がなければ、ここまでコンパクトなものは作れなかった。データセンターでは、40Gbpsくらいのパフォーマンスをコンパクトに提供することが大事になっている」と中村氏は説明した。
さらに価格についても、“コンパクト”に。従来モデルでの構成では40Gbpsを実現するのに1億円を超えていたが、NS9300では4185万円と約6割のコストダウンになるという。マカフィーではデータセンターなどをターゲットに、7月16日からNS9300の販売・出荷を開始する予定だ。