NTT川添氏が「IOWN FUSION BASE」への期待を語る
今回の発表会には、NTT チーフエグゼクティブフェローの川添雄彦氏も出席。「NTTグループとしてIOWNの実験場は持っているが、NTTだけでやっていては駄目。通信に詳しくない方々にも来場いただき、新たなユースケースの創出につなげたい」と、IOWN FUSION BASE設立の意義を強調した。
NTT チーフエグゼクティブフェロー 川添雄彦氏
また、川添氏は、IOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)を活用して手術支援ロボットや建機を遠隔制御する実証、複数データセンターのGPUをAPNでつなぐ「GPU over APN」の実証などに触れながら、こうした世界の実現に向け、医療や建設など異業種における“IOWN人材”の育成が不可欠になると説明した。
加えて、AKKODiSにはAI人材の育成にも貢献してほしいと川添氏は期待を示した。AI人材が増えることにより、DDoS攻撃をはじめとするサイバー攻撃に対して、各地に分散されたAIをAPNでつないだ「巨大なセキュリティAI」で対抗したり、「『コロナがなぜ流行ったのか』といった現時点で答えのない問いを解き明かせるかもしれない」と話した。
IOWN APNを活用した五感情報のデモも実施
同発表会では、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が設立したビジネス共創のためのワークプレイス「OPEN HUB Park」(千代田区・大手町)とIOWN FUSION BASE(港区・芝浦)をAPNで接続し、触覚や振動といった五感情報をリアルタイム伝送するデモが行われた。
OPEN HUB Parkに設置された板をトンカチで叩いたときの振動や、ローラーを転がした際の感触が、発表会会場でも遅延なく伝わることを確認できた。IOWN FUSION BASEへの来場者がこのデモを体験できるというわけではないが、ニーズに応じてIOWNを体感できる設備等の構築も進めていきたいとした。