富士通は5月8日、SDNソリューションの第一弾を発表した。データセンター向けのネットワーク仮想化ソリューションで、サーバー・ストレージ・ネットワークの一元管理・制御を行うソフトウェア製品「ServerView Resource Orchestrator(ROR)」、スイッチ製品「コンバージドファブリックスイッチ」、仮想アプライアンスプラットフォーム製品「IPCOM VXシリーズ」で構成され、6月から出荷を開始する。
オーバーレイ方式やOpenFlowによるホップ・バイ・ホップ方式など、ネットワーク仮想化の実現方法にはいくつかの種類があるが、今回富士通が発表したのはファブリックを軸にしたネットワーク仮想化ソリューションである。
富士通のデータセンター向けネットワーク仮想化ソリューションの全体イメージ |
サーバーやストレージを収容した複数のコンバージドファブリックスイッチは1台の論理スイッチとして扱うことが可能。RORの一括制御のもと、システム毎に独立したマルチテナントの仮想ネットワークを提供できるほか、仮想サーバーのライブマイグレーション時のネットワーク設定の自動変更に対応する。さらにファイアウォールおよびロードバランサーの機能のプール化もIPCOM VXシリーズにより行え、物理アプライアンスをシステム毎に用意する必要なしに、自動的に割り当てることが可能だ。なお、RORは以前から提供していた製品で、新たにネットワーク機器の管理・制御機能が強化された。価格は23万円~。
コンバージドファブリックスイッチの特徴 |
コンバージドファブリックスイッチは、独立型のToRスイッチと富士通のブレードサーバーPRIMERGY用の内蔵型の2タイプを用意する。ToRスイッチは、最大2つのインターフェースカードを搭載可能な1Uサイズ。インターフェースカードは、40Gbps×8のものと、10Gbps×16/40Gbps×4ポートのものの2種類だ。一方、ブレードサーバー用スイッチは、10Gbps×8/40Gbps×2ポートを搭載。どちらもオプションで、FCF(FCoE Forwarder)機能に対応する。価格はToRスイッチが360万円~、ブレードスイッチが180万円~。
IPCOM VXシリーズの特徴 |
IPCOM VXシリーズは、仮想ファイアウォールおよび仮想ロードバランサーを搭載できる専用アプライアンス。従来から提供しているIPCOM EXシリーズのファイアウォールおよびロードバランサー機能をソフトウェア化することで実現した。IPCOM VX2300とVX2700の2モデルを用意し、前者は最大6、後者は最大14の仮想アプライアンスソフトウェアを搭載できる。価格はVX2300が170万円、VX2700が400万円。また、仮想アプライアンスソフトウェアはファイアウォール機能の「IPCOM VA1100 SC」が20万円、ロードバランサー機能の「IPCOM VA1100 LB」が80万円となっている。