日本HP、“ボトルネック化した3階層NW”から脱出するためのブレードスイッチとシャーシスイッチ

日本HPのデータセンター向けネットワークソリューションの中核を担うのが、独自の仮想シャーシ技術「IRF」だ。同社は10月25日、このIRFに初めて対応したHP BladeSystem向けブレードスイッチと、中小データセンター向けのシャーシ型スイッチの販売を開始した。

日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2012年10月25日、仮想シャーシ機能「IRF」に対応した3つの新製品を発表した。

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー&ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー&ネットワーク製品本部 本部長 宮本義敬氏 同 インダストリスタンダードサーバー&ネットワーク製品本部 HPネットワーク製品企画部 プロダクトマーケティングマネージャー 伊佐治俊介氏

IRFは、複数の物理スイッチを論理的に1つのスイッチとして扱えるようにするHPの独自技術だ。

日本HPの宮本義敬氏は会見の冒頭、仮想化の進展や、スモールスタートでサービスを開始してヒットすれば「来週にサーバーを1000台持ってきてほしい」などと急速に拡大させるビジネスのやり方の変化などを背景に、「サーバーとネットワークの関係は変わりつつあり、伝統的な3階層のネットワークがかなりボトルネックになってきている」と指摘。

そのうえで目指すべき理想像は「2階層あるいは1階層のシンプルなネットワーク」と語ったが、HPのネットワークソリューションにおいて、このシンプルなネットワークを実現するキーテクノロジーがIRFである。

伝統的な3階層ネットワークは今やボトルネックに
伝統的な3階層ネットワークは今やボトルネックに

「中小規模データセンターに最適」

今回発表されたのはまず、中小規模データセンターに最適だというシャーシ型レイヤ2/3スイッチ「HP 12504」だ。10Uサイズの筐体に、10GbEポートを最大128ポート(ノンブロッキングで64ポート)実装可能。また、IRFにより最大4シャーシを論理的に1つのシャーシとして扱える。つまり、一般的な42Uラックであれば、1つのラックに4台のHP 12504が収まるが、ラック内の4台すべてを1つのスイッチとして運用することができる。

なお、このHP 12504は、「日本からリクエストを出して実現した製品」(日本HPの伊佐治俊介氏)とのこと。このため、日本のデータセンターで要望の高いAC100Vにも対応している。

HP 12504の主な特徴
HP 12504の主な特徴

残る2つの新製品は、HPのブレードサーバーシリーズ「HP BladeSystem」用のレイヤ2/3対応ブレードスイッチ「HP 6125G」と「HP 6125G/XG」である。HP BladeSystem用ブレードスイッチとして、初めてIRFに対応した。

前者は1GbEダウンリンク×16ポートと1GbEアップリンクを最大8ポート、後者はダウンリンクは一緒でアップリンクに1GbE×4ポートと10GbE対応SFP+×4ポートを備える。ともにIRF機能により、最大10台のスイッチを論理的に1台のスイッチとして運用できる。

HP 6125GとHP 6125G/XGの特徴
HP 6125GとHP 6125G/XGの特徴

3製品の価格は、HP 12504が94万7100円(シャーシのみ、税込)、6125Gが22万5500円、6125G/XGが57万7500円。いずれもは10月25日から販売が始まっている。

「HPは競合他社より約35%低価格」

2階層あるいは1階層のシンプルなデータセンターネットワークを提唱するのはHPに限ったことではない。ほぼすべてのネットワーク機器ベンダーが注力しているが、伊佐治氏がHPの強みとして挙げた点の1つは、「データセンター向けのコアスイッチから小規模オフィス向け、無線LANまで幅広い製品を提供できる」こと。「これができるのはシスコと我々だけ」と語った。

また、優れたコストパフォーマンスについても強調した。競合他社の同等性能のコアスイッチで比較すると「HPは約35%低価格だ」という。

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