NTTのR&D(研究開発)成果を発表する「NTT R&Dフォーラム2024」が2024年11月25~29日にかけて開催される。これに先立ち、11月21日にメディア向け内覧会が行われた。
同内覧会では、まずNTT 執行役員 研究企画部門長の木下真吾氏による基調講演が行われ、IOWNに関する取り組みやロードマップなどを語った。
NTT 執行役員 研究企画部門長 木下真吾氏
昨年3月より、IOWNの商用サービス第一弾となる「APN IOWN1.0」の提供が始まったが、NTTはAPNのロードマップを3つのフェーズに分けて描いている。現在がステップ1で、2025年以降にステップ2、2028~2029年頃にステップ3が始まる。
木下氏によると、伝送容量はステップ2で6倍以上、ステップ3では約125倍に到達し、電力効率はステップ2で約13倍、ステップ3では約100倍に進化するという。
また、ステップ2では県をまたいだ専用線の構築ができるようになり、ステップ3では必要な時に必要な経路を動的に構築できる「オンデマンド光制御」技術が組み込まれる。「今日はこの場所にAPNをつなぎ、明日は別のエリアに接続するといった柔軟な制御ができるようになる」
ステップ3には「オンデマンド光制御」技術が組み込まれる
ステップ2の基盤となり得るのが、今年12月に提供開始予定のAPN接続サービス「All-Photonics Connect powered by IOWN」だ。ユーザー拠点間としては世界最高水準となる最大800Gbpsの帯域を保証し、NTT東西の提供エリアであれば、主要都市間の接続が可能になる。
また、多様な伝送プロトコルを収容できるOTU4インターフェースに加え、イーサネットインターフェース(100GBASE-LR4、400GBASE-FR4/LR4)にも対応する。さらに、回線の終端装置をNTT局舎に置くことで、顧客拠点に設置する終端装置が不要となるため、「設備の省スペース化・低消費電力化につながる。お客様はAPNを導入しやすくなる」と木下氏はアピールした。