「モビリティAI基盤」については「我々のことも存分に使っていただきたい」
全国にAIデータセンター(DC)を分散配置する「次世代社会インフラ」構築の進捗状況に関する説明もあった。今年10月、ソフトバンクが現在拡張を進めているAI計算基盤に約4000基の「NVIDIA Hopper GPU」を追加整備。基盤全体のGPU数は約6000基となり、2025年度上期には約1万基までの増設を計画しているという。
そして生成AI開発の子会社SB Intuitionsは決算説明会の同日、4600億パラメーターを有する日本語に特化した研究開発用LLM(大規模言語モデル)「Sarashina2-8x70B」を公開。「構築したAI計算基盤で、パラメーターに追加学習を加速させていく。来年度には商用化できるように準備を進めている」(宮川氏)
次世代社会インフラの進捗状況
また宮川氏は、英Opensignalが発表した「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート」において、KDDIが「一貫した通信品質」部門で首位を獲得した件について問われると、「企業努力により、KDDIが一番と言われるところまで来たというのは、本当にそう思う」「ただソフトバンクとして言い訳をすると、今年1月に発生した能登半島地震を受けて、3Gサービス終了を延期した。半年程延期したことで、ネットワークの構成変更等に遅れが生じてしまった」と語った。
一方で、「今はこの言い訳が終わった時期。12月末までに必ず巻き返そうという思いでネジを巻いている。期待できるところまで現場はやってくれると思っている」と意気込んだ。
NTTとトヨタ自動車が「モビリティAI基盤」の共同開発に合意した件に関しては、「非常に良いこと。我々も交通事故や渋滞のない世界を目指したいし、デジタルツインを活用したリアルとバーチャルのつなぎ方も研究してきているつもりなので、我々のことも存分に使っていただきたい」と述べた。