IOWN APNで交通事故を減らす「モビリティAI基盤」 NTTとトヨタが共同開発へ

「交通事故ゼロ」を目指し、NTTとトヨタが「モビリティAI基盤」を共同開発する。複数のデータセンターをIOWN APNで相互接続した「分散型計算基盤」や、人や車両等のデータをAIでリアルタイム分析して切れ目のない通信を実現する「インテリジェント通信基盤」の構築などに取り組む。

NTTとトヨタ自動車は2024年10月31日に記者会見を開き、モビリティ分野におけるAIなどを活用した通信基盤の共同開発に取り組むことに合意したと発表した。

警察庁が2022年に実施した調査によると、2013年に63万件だった交通事故発生件数は、2022年時点で30万件にまで半減している。一方、追突や出会いがしら、右左折時の交通事故の割合は依然として高く、交通事故を限りなくゼロに近づける取り組みがより一層必要になる。

交通事故防止対策として、トヨタ自動車 代表取締役社長の佐藤恒治氏は、データドリブンによる運転支援技術の高度化や将来的な自動運転技術の開発が不可欠だと語った。

(左から)トヨタ自動車 代表取締役社長 佐藤恒治氏、NTT 代表取締役社長 島田明氏

(左から)トヨタ自動車 代表取締役社長 佐藤恒治氏、NTT 代表取締役社長 島田明氏

また佐藤氏は、ヒト・車・インフラによる“三位一体”の取り組みが重要だと訴えた。「人の行動や車の情報を絶えず取得することができれば、多くの事故に影響する死角を減らすことができる。また、その情報をAIが学習することで、人や車の動きを精度高く予測した運転支援も可能になる」

トヨタ自動車は、ソフトウェアのアップデートによって車両の性能や安全性を継続的に拡充できる「SDV(Software Defined Vehicle)」の開発に励んでいるが、SDV車両が増加することによって、通信量は約22倍、必要なコンピューティングリソースは約150倍まで膨れ上がるという。今後、大量のデータを処理するAIやそれを支える計算基盤などを組み合わせた「モビリティAI基盤」が必要になるというわけだ。

SDV車両の増加により、通信量は約22倍、必要な計算能力は約150倍に

SDV車両の増加により、通信量は約22倍、必要な計算能力は約150倍に

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