全国規模でスループットやレイテンシーが改善
LTE転用周波数から5Gエリアを展開する方法はソフトバンクも採用しているが、今回、Opensignalのレポートでソフトバンクの評価を上回ったのは、5Gの導入期から続けてきた改善活動によるところも大きいという。
端末や基地局、コアネットワークから自動収集した品質情報や、ユーザーからの問い合わせ音声をデジタルデータ化したもの、さらに、Opensignalの評価をAIで分析し、1年間で100 以上の改善施策を実施した。
1年間で100以上の改善施策を実施
また、無線区間だけでなくバックボーンも含めたエンド・ツー・エンドで通信経路の見直しやチューニングを行った。
バックボーンも含めてネットワーク全体を見直し
その結果、全国規模でスループットやレイテンシーが改善された。具体的には、YouTubeで4K UHD動画を快適に視聴するには20Mbps以上のスループットが推奨されるが、全国95%のエリアで20Mbps以上となっている。また、オンラインゲームをスムーズにプレイするにはレイテンシーが30ms以下であることが必要とされるが、全国92%のエリアで30ms以下を実現しているという。
動画の読み込み速度や画質が改善されたという
KDDIは、3.7GHz帯と4.0GHz帯という近接したところに100MHz幅を2ブロック保有しており、国内初となる2周波数対応のMassive MIMOを2024年度中に開始する。
2周波対応のMassive MIMOを2024年度中に開始する
今年7月に阪神甲子園球場で行った実証では、通信速度が1.6倍向上することが確認されたという。2周波数対応のMassive MIMOにより、「来年度以降、200MHz幅のSub6によるさらに高速・高品質な5Gが実現する」(前田氏)としている。