「Sub6が実力を発揮するフェーズへ」KDDIが通信品質向上に関する説明会

LTE転用周波数とSub6の「デュアル5G」で5Gエリアの展開を進めるKDDI。Sub6については衛星通信事業者との干渉問題が解決したことで、Sub6基地局の出力を最大化することが可能になり、本来の実力を発揮できるようになった。2024年度中には2周波数対応のMassive MIMOを開始することで、さらに高速化を実現するという。

KDDIは2024年10月18日、通信品質向上に関する説明会を開催した。

KDDI 執行役員 コア技術統括本部 技術企画本部長 前田大輔氏

KDDI 執行役員 コア技術統括本部 技術企画本部長 前田大輔氏

前日の17日にグローバル分析会社Opensignalが発表した「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート」において、KDDIは18部門中13部門で首位を獲得した。

18部門中13部門で首位を獲得した

18部門中13部門で首位を獲得した

説明会に登壇したKDDI 執行役員 コア技術統括本部 技術企画本部長の前田大輔氏が高評価の要因として挙げたのが、LTE転用周波数とSub6の「デュアル5G」によるエリア展開だ。

KDDIは、LTEで使用していた周波数帯を5Gに転用することで、5Gの面的なエリア整備を先行させてきた。一方、Sub6については、2024年3月末までに約3万9000局の開設計画を進めてきたが、通信衛星と地球局の間で用いられるCバンド(3.6~4.2GHz帯)と重なるため、地球局が配置されている関東地方など一部エリアでは干渉抑止を目的に基地局の出力を制限せざるをえなかったほか、アンテナ角度も適正値よりも下げて設定していた。

それが2023年度末に、衛星通信事業者が地球局を移転したことで、Sub6基地局の出力アップとアンテナ角度の最適化が可能となり、関東地方を中心にSub6エリアが拡大し、通信速度も約3倍向上したという。

LTE転用周波数による5G基盤の上にSub6を高密度に展開する

LTE転用周波数による5G基盤の上にSub6を高密度に展開する

「当初は『なんちゃって5G』と揶揄されたが、LTE転用周波数を利用した5Gエリア基盤があることで、その上にSub6を高密度に展開し、高速・高品質な5Gエリアを形成することができた。今回、干渉条件が緩和されたことでSub6の本来の実力を発揮できるようになり、それがOpensignalの受賞につながった」と前田氏は説明した。

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