日本マイクロソフトは2012年7月17日、次期Officeのカスタマープレビュー版の公開開始に伴い、記者説明会を開催した。本記事では、コラボレーション関連のアプリケーションであるLyncとSharePointの2つにフォーカスして紹介する。
日本マイクロソフト 業務執行役員 Officeビジネス本部長のロアン・カン氏によると、「日本においては昨年だけで4倍の成長を遂げた」というLync。その次期バージョンとなるLync 2013の機能強化点として、カン氏がまず挙げたのは「多人数でハイディフィニション(HD)の会議ができる」ことだ。さらに、Officeビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャの内田修氏は、「Office Web Appとの連携により、従来よりPowerPointをきれいに共有できる」と紹介した。
次期LyncのHDビデオ会議機能のデモの様子 |
また、次期Office全体の特徴の1つはタッチ操作やインク機能などWindows 8への最適化にあるが、Lync 2013はWindows 8スタイルのアプリケーションを象徴する最初のものの1つになるという。このほか、Skypeとの連携、OneNoteによるノートの共有などの機能が強化されている。
次にSharePointだが、ソーシャル機能の充実が大きなポイントになっている。連絡先/サイト/ドキュメントのフォローや、いわゆる“つぶやき”に該当するアクティビティフィード、「Like」ボタンや「Best Reply」ボタン、コミュニティ機能など、会見中に行われたデモでは企業SNSとしての機能が大幅に進化している点がアピールされた。
TwitterやFacebookライクな企業SNS企業が充実する次期SharePoint |
また、マイクロソフトは最近、企業SNSベンダーのYammerを買収したが、このYammerとOfficeの統合も進められているという。
国内のユニファイドコミュニケーション(UC)市場でも順調に実績を積み上げてきているマイクロソフト。だが、あえて弱点を指摘するとすれば、高精細なビデオ会議機能と企業SNS機能の2つを挙げることができた。前者について従来はポリコムなどとの提携による補完を目指していたが、今回の機能強化によりLync自身でHDビデオの複数同時表示が可能になった。また、企業SNSについても、国内ベンダーではBeat Communication、外資系ベンダーではIBMやセールスフォース・ドットコムなどに先行されていたが、SharePointのソーシャル機能充実とYammerとの統合で、一気に追い上げを図ることになる。
「的確な機能強化が行われた」というのが、今回の記者説明会で抱いた次期Lyncおよび次期SharePointに対するファーストインプレッションだ。