KudanとHPCシステムズは2024年9月10日、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術やローカル5Gを活用し、産業DX向け自己位置測位システムや関連ソリューションの導入を加速するオールインワンパッケージ「自己位置測位スターターキット NaviStart」(以下、NaviStart)を共同開発したと発表した。
対象は、製造業、物流業、建設業、農業など、自己位置測位やローカル5G伝送を活用した追跡管理、生産性向上及び安全性強化ソリューション、また自己位置を用いた遠隔操縦/自律走行ソリューションの産業導入を検討する企業。2024年10月1日より販売を開始する。
「自己位置測位スターターキット NaviStart」の構成
Kudanの独自SLAM技術により、専用のアクセスポイントやビーコンなどのインフラを設置する必要なく、LiDARやカメラなどの搭載デバイスだけで数センチ単位の高い測位精度を屋内外環境で実現。また、障害物が多い環境や動的な環境(人や物が頻繁に移動する場所)でも、位置測定の精度を保つことが可能という。
大容量かつ低遅延、多接続が可能なローカル5Gを組み合わせ、かつ、Kudan独自のマップ管理機能も加えることにより、大規模施設での複数デバイスの同時運用も可能。また、ローカル5G通信を活用してSLAM処理をクラウド側で集約して行うことにより、シンプルなデバイス構成とシステム全体の簡素化を実現した。
ローカル5Gを活用したSLAM技術の主な用途例としては、以下の4つを挙げている。
SLAM活用事例
1.スマートファクトリー:工場全体の自律移動ロボット群とIoTセンサーをローカル5Gで接続し、リアルタイムで最適化された生産ラインの運用と各種ロボット・移動体のモニタリングを実現。
2.大規模物流センター:広大な倉庫内で多数のAGVやピッキングロボットをローカル5Gネットワークで制御し、リアルタイムの在庫管理と効率的な物流オペレーションを実現。
3.スマート建設:建設現場全体をカバーするローカル5Gネットワークにより、自律走行式測量ロボットや建機の精密制御/遠隔制御を実現。
4.精密農業:広大な農地をカバーするローカル5Gにより、自動運転トラクターの協調制御を実現し、効率的な農業経営を支援。
価格は、基本構成が498万円から。ローカル5G基地局の導入オプションも今後追加する予定だ。