Fastly CEOのトッド・ナイチンゲール氏(Todd Nightingale)。2022年に現職に就任する以前は、シスコシステムズでExecutive Vice President 兼 General Managerとして、Enterprise Networking and Cloud事業を率いた
――FastlyはCDN事業者からエッジクラウド事業者への転換を進めています。この取り組みにおいて重要視していることは何ですか。
ナイチンゲール CDNからスタートしたFastlyは常に、高速かつ安全で、エンゲージメントの高い配信を実現することに注力してきました。その既存のオファーを拡大しつつ、“統合されたプラットフォーム”を提供することが何よりも重要です。
これまで様々な機能を追加してきていますが(図表)、単一のプラットフォーム上で利用できることによって、お客様は簡単にそのメリットを享受できます。例えばセキュリティ機能について、最初にDDoS対策を開発・実装した後、買収により次世代WAF機能を追加、この4月には自社開発したボット管理も追加しました。肝心なのは、自社開発したものも買収で加えたものもすべて統合すること。ユーザーエクスペリエンスもAPIも単一であることです。
図表 Fastlyの単一統合プラットフォーム
顧客はエッジコンピューティングの能力やオブザーバビリティ(可観測性)も同じプラットフォーム上で利用できます。これにより、開発者の方々と共にインターネット上でベストなデジタルエクスペリエンスを提供することが、Fastlyの目標です。
――競合他社と比べたFastlyの強みは。
ナイチンゲール CDN業界のAkamaiとCloudflareのほかにも、エッジクラウドを提供する競合は数多くいます。
彼らとの違いという意味で、Fastlyが最も誇りに思っているのがパフォーマンスの高さです。特に、リアルタイムユーザーの体験に直結する遅延は、競合より30~40%も抑えられています。
開発者のエクスペリエンスに関しても、他社より優れていると自負しています。我々のエッジプラットフォームはAPIで完全にコントロール可能であり、この上で開発したシステムを容易に自動化できます。リアルタイムのアナリティクスも簡単に利用できます。
セキュリティ機能についても、誤検知率の低さが高く評価されています。