ソフトバンクが企業や政府・自治体向けの高品質衛星通信「Eutelsat Onweb」、帯域保証型も提供へ

ソフトバンクは、国内の企業や政府機関、自治体など向けに高品質な衛星通信サービス「Eutelsat OneWeb(ユーテルサットワンウェブ)」の提供を2024年12月に開始する。

Eutelsat OneWebは、静止軌道衛星と比べて地球に近いEutelsat OneWeb社の低軌道衛星から電波を発射するため、高速かつ低遅延な通信が可能という。

「Eutelsat OneWeb」の低軌道衛星イメージ

「Eutelsat OneWeb」の低軌道衛星イメージ

ソフトバンクは同サービスの展開において、規定の通信速度を保証する帯域保証型の通信サービスなど8種類のプランを提供する。ベストエフォート型サービスは通信速度が下り最大195Mbps、上り最大32Mbpsで、静止軌道衛星と比べて約10分の1の低遅延通信となる。

提供予定のプランは以下の通り。

・データ容量選択プラン(ベストエフォート型)は、最大通信速度内での利用で、100GB・250GB・500GB・1TBのデータ容量から選択できる

・データ容量無制限プラン(帯域保証型)は、規定の通信速度での利用で、データ容量が無制限のプラン

・データ大容量選択プラン(ベストエフォート型)は、データ容量選択プランよりさらに大容量の1.5TB・3TB・6TB・12TBから選択できる

・データ容量シェアプラン(ベストエフォート型)は、25GB・50GB・100GB・250GBのデータ容量を選択して、複数の拠点でシェアすることができるプラン

上記の4種類を、陸上固定向けの「スタンダード」、または陸上移動向けの「モビリティ」の2種別で提供する。スタンダードは、ユーザーが事前に指定した場所にEutelsat OneWebのアンテナを設置して、低軌道衛星によるネットワーク接続を提供。モビリティについては、アンテナを持ち運んでさまざまな場所で利用したり、車両などに設置して移動中に利用したりすることが可能だ。

また、ソフトバンクの閉域網サービス「SmartVPN」を利用することが可能で、ニーズに応じて高セキュアな通信サービスを提供することができる。

これにより、地上のモバイルネットワークでは電波が届きにくい山間部やへき地における建設機械の遠隔操縦や作業の遠隔監視、帯域保証型の安定した通信による映像伝送や遠隔作業、災害時における高セキュアな通信回線の確保など、さまざまな場面での活用が期待できるとしている。

電子式折りたたみ平面アンテナ(左)と、地球局アンテナ

電子式折りたたみ平面アンテナ(左)と、地球局アンテナ

また、サービスの提供に先駆けて、防衛省・自衛隊による災害復旧活動等におけるEutelsat OneWebの活用の可能性について、共同で検証を実施している。

ソフトバンクは、Eutelsat OneWebの提供に当たって、ユーザーが利用するアンテナの包括免許として、関東総合通信局からVSAT地球局および携帯移動地球局の特定無線局包括免許を、2024年7月2日に国内の通信事業者として初めて取得。また、Eutelsat OneWeb社は、2024年8月6日に総務省から地球局(ゲートウェイ局)の免許を取得している。

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