東京都は2024年8月26日、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と協力して、伊豆諸島において海底光ファイバーケーブルによる海底火山の試験観測を実施すると発表した。
火山活動では、地下のマグマの移動に伴う地震が起こることが知られており、研究機関等が火山性地震のモニタリングを行っている。しかし、離島の火山体は海面下に広がっているために陸域と同様の観測が難しく、海底での観測技術開発が課題となっている。
今回は、東京都が保有する離島間の海底光ファイバーケーブルを活用し、光ファイバーを使った分布型音響センシング(DAS)技術を応用した火山性地震の試験観測を行う。
DASによる地震観測の概念
海底光ファイバーを通る光信号がケーブルの振動によって変化するのを計測することで、地上観測では捉えることが難しい海底下で発生する微弱な火山性地震も観測することが可能になる。これにより、マグマ活動による噴火の兆候を把握することで噴火予測につながるものと期待されているという。
実施主体は、JAMSTEC 海域地震火山部門火山・地球内部研究センター。観測期間は2024年11月1日から2026年3月31日の間で、本年9月から観測開始に向けた機器設置等に着手する。