「電池1本で10年動くWi-Fi」。こんなキャッチフレーズで多くの来場者を惹き付けているのが、アルティマのブースに展示されている米GainSpan社の超低消費電力無線LANチップである。GainSpan社は、インテルからの分離独立により2006年に設立されたチップベンダーだ。
「本当に10年も動くの?」と疑問を抱く向きもあろうが、説明員によれば、2000mAhの容量を持った単三電池1本、1時間毎の通信という条件で12年以上動作できるという。待機時の消費電力を極力抑えるだけでなく、通信時に瞬時に立ち上がり、ただちにまたスリープ/スタンバイ状態へと移行することで、この長寿命を実現しているそうだ。
ブースには、サクサの無線LANセンサなど、実際にGainSpan社の無線LANチップを採用した製品も並んでいた。サクサの無線LANセンサの場合、10分毎のデータ通信という条件下で、単三電池2本で3年動作できるという。
GainSpan社の無線LANチップを採用したサクサのセンサ |
無線LANをセンサーネットワーク等に活用するメリットは、すでに対応機器やアクセスポイントが広く普及していることなどから、システムコストが安価に済む点である。ただ、消費電力がネックと言われてきた。しかし、GainSpan社のチップを見ると、必ずしもそんなことはないようだ。