ブロケード コミュニケーションズ システムズは2012年5月23日、同社のSoftware Defined Network(SDN)戦略について説明する記者会見を開催した。
かねてからブロケードはSDNの主要技術の1つであるOpenFlowのサポートを表明してきたが、SDNロードマップの第一弾として、サービスプロバイダー向けのシャーシ型ルーター「Brocade MLX」および1Uサイズのコンパクトスイッチとルーター「Brocade NetIron CES、CER」がハードウェアベースでOpenFlow 1.0に対応すると明らかにした。
ブロケードのOpenFlow対応第一弾はMLXとCES/CER |
OpenFlowとファブリックを対立軸で捉えるのは間違い
「この10年を振り返るとサーバーの世界では大きな変化が起こった。ユーザーはこうした変化をネットワークの世界でも望んでいる」(米ブロケード本社でバイスプレジデントを務めるケン・チェン氏)。
OpenFlow/SDNの普及はネットワーク機器のコモディティ化/ソフトウェア化を促進し、既存ネットワーク機器ベンダーのビジネスを脅かす可能性があるといわれている。そうしたなかブロケードがOpenFlow/SDNに積極的に取り組むのは、これが必然的な流れと認識しているからだが、加えて「イーサネットファブリックとOpenFlowは共存できる」と考えているためでもあるようだ。
同社代表取締役社長の青葉雅和氏によれば、OpenFlowがホットになり始めた1年前には「OpenFlowとイーサネットファブリックはどう共存していくのか」との質問を頻繁に受けたという。両者はともに、クラウド化の進展でボトルネックになってきたネットワークの課題を解決するためのテクノロジであり、「競合」と捉えることもできる。
しかし、「最近はこうした質問も少なくなった」そうだ。なぜなら「データセンターの中はハイスピードなイーサネットファブリック。OpenFlowを使うのはデータセンター間」という考え方が今では「主流になっている」からだという。
また、チェン氏は「クラウドに最適化されたネットワークに関しては、いろいろな誤解がある」と指摘。そのうえで、SDNのためのネットワークアーキテクチャを以下のスライドのように4つのレイヤに整理し、イーサネットファブリックはAny to Anyの接続を可能にする物理レイヤ向けの技術、OpenFlowはサービスレイヤ向けの技術と解説した。OpenFlowとファブリックを対立軸で捉えるのは“間違い”というわけである。
SDNのためのネットワークアーキテクチャはこの4レイヤに整理できるという |