ドコモ、インテージHD子会社化の未来図 “スマートライフ”はマーケティング支援で成長

ドコモは「モバイル空間統計」などで協業してきたインテージHDを子会社化し連携を強める。莫大なデータと分析力を活かしメーカー・流通企業のマーケティングDXを支援するが、その先に見据えるのは社会変革だ。

NTTドコモは2023年10月23日、市場調査大手のインテージホールディングスをTOBにより子会社化した。

両社は2012年に合弁会社であるドコモ・インサイトマーケティングを設立し、ドコモの顧客をアンケートパネルにしたリサーチや、携帯電話の位置情報を活用した人口統計情報サービスである「モバイル空間統計」などの事業を行ってきた。

こうした連携から踏み込んだ狙いを、「マーケティング事業を本業に取って代わる規模に成長させるため」とNTTドコモ スマートライフカンパニー マーケティングイノベーション部 部長の石橋英城氏は説明する。

ドコモは2022年7月、スマートライフカンパニーを立ち上げ、非通信領域の事業を加速させている。マーケティング支援はその柱の1つだ。インテージHDもまた、市場調査から企業のマーケティング活動全体の支援へと、ビジネスを拡大しようとしている。

ドコモの強みは、約9700万人に上るdポイントクラブの会員情報だ。dポイントはオンラインとオフラインを横断し、ユーザーの属性や行動データをシングルIDで集められる点に大きな特色がある。業種を問わず、認知獲得から購入、ファン化というマーケティングのプロセスを一貫して支援することができる(図表1)。

図表1 NTTドコモのマーケティング領域におけるコアアセット

図表1 NTTドコモのマーケティング領域におけるコアアセット

対してインテージHDの武器はSCI(全国消費者パネル情報)や、SRI+(全国小売店パネル調査)などの調査で培ってきた、高い分析力とメーカー企業との強い関係性だ。これらを通じ、商品企画開発という「上流」の工程に貢献してきた。

一方、ドコモはdポイントの顧客基盤を基に、クーポンやポイント、広告配信など、エンドユーザー側の「下流」の施策を行ってきた。

両社が保有するデータはドコモのAIエンジン「docomo Sense」で統計化され、さらに高度な活用も可能だ。これらにより、企業のマーケティング活動を上流から下流まで“一気通貫”で支援しようとする(図表2)が、この実現のためには両社が互いのアセットをフル活用する必要があり、「そのために子会社化を選択した」(石橋氏)。

図表2 協業によるバリューチェーン全体の支援

図表2 協業によるバリューチェーン全体の支援

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