総務省は2023年9月21日、情報通信審議会(情通審) 通信政策特別委員会の第3回会合を開催した。
市場環境の変化に対応した通信政策のあり方を議論するこの会議では、NTT法や関係法制の見直しに向けて関係各社へのヒアリングを行っている(参考記事:【NTT法見直し】NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天の各社社長は何を語ったか? 総務省が事業者ヒアリング)。
会議の冒頭、事務局がこれまでの会合での意見を整理した。この中で、国際競争力を強化する視点から、NTT法における研究成果の普及責務を見直す方向性について各委員の意見が一致したため、総務省に対して必要な取り組みを速やかに進めるよう決定した。
第2回までの議論では、固定電話中心からブロードバンドを軸としたユニバーサルサービスへの見直しが必要であるという方向性が確認されている。そのブロードバンドの提供は、NTT東西がいわゆる「ラストリゾート(最後の手段)」としてその役割を担うことが期待され、会議においてNTTも電気通信事業法の中でコストがカバーされる制度ができればという条件つきで、その義務を負う姿勢を表明している。
今回はブロードバンド整備における不採算地域を持ち、ユニバーサルサービスへの期待の大きい4自治体・関係団体から通信インフラの現状についてのプレゼンテーションがあった。そこから浮き彫りになったのは、中山間地域や離島が抱える問題の深刻さだ。