コムスコープ・ジャパン
KAM & 屋外ワイヤレスネットワーク部門
代表取締役 加藤順一氏
「5Gネットワークの整備はこれからが本番。高速大容量通信だけでなく、低遅延や多数接続に対応できる基地局設備を効率的に整備できる製品・ソリューションの提供を通じ、インダストリアルIoTや自動運転など、通信事業者の収益拡大につながる新たなユースケースの実現に貢献していきたいと考えています」
こう語るのは、コムスコープ・ジャパン 代表取締役の加藤順一氏だ。
米コムスコープは、移動通信からCATV、エンタープライズ/データセンターなど、幅広い領域で事業を展開するネットワークベンダーである。150を超える国・地域に製品を出荷しており、2022年の売上高は92億ドル(1兆3600億円)を超える。
アンドリュー社の買収を機に無線通信分野に進出したのは2007年のことだ。「アンテナやケーブル、共用装置など、無線機を除く移動通信基地局に必要となる製品すべてをワンストップ提供できる体制を整えています」と加藤氏は話す。
日本では20年以上前から事業展開しており、「すでに国内の移動通信事業者4社にコムスコープの製品をご利用いただいています」とのことだ。
コムスコープ・ジャパン
屋外ワイヤレスネットワーク部門
営業本部長 黒田隆広氏
今後さらに加速する5Gネットワークの整備だが、課題もある。
「収益につながるアプリケーションが明確に見つかり切っていないことから、グローバルでも5Gへの投資が一時的に滞っています。今は、将来を見据えて必要なネットワークを最大限効率的に整備し、アプリケーションの登場に備える時期と言えるでしょう」
コムスコープ・ジャパンで屋外ワイヤレスネットワーク部門 営業本部長を務める黒田隆広氏は、5G市場の現状をこう説明したうえで、「我々はヘルスケア、製造業、物流、自動運転などが特に期待が持てると分野と見ており、これら分野に貢献できるインフラを効率的に構築するための製品・ソリューションを日本でも展開していこうとしています」と述べる。
効率的な5Gネットワークの整備の実現にあたって、コムスコープが重視しているのがサスティナビリティ(持続可能性)である。
一体どのような形で通信事業者のカーボンニュートラル達成に貢献しようとしているのか――。