シスコ社員は震災をどう乗り越えたか?
石原氏によれば、ガートナーは2020年の労働環境を「さまざまな役割を持つ人々が寄り集まって働く機会が増え、単独で働く人の割合は減るだろう。ほとんど顔も知らない相手とともに仕事をし、チームには企業と雇用関係のない人々が含まれるようになる」と予測しているという。こうした未来の働き方を支えるのがバーチャルワークプレース、そしてUCであるが、この人中心のワークスタイルは災害時の事業継続にも貢献する。
シスコでは東日本大震災の発生後、2週間にわたってほぼ全社員が在宅勤務を行ったが、先に紹介したビジネスチャットやWeb会議、スマートデバイスなどによって、社員がオフィスに出社しなくても、問題なく事業を継続できたそうだ。また、在宅勤務中の社員が自宅からWeb会議で顧客との打ち合わせを行うなど、社外とのコミュニケーションにもバーチャルワークプレースは活躍したという。
東日本大震災に対しても、シスコ社員はバーチャルワークプレースを活用することで、大きな混乱なくビジネスを継続できたという |
シスコの考えるバーチャルワークプレースは、VoIP、ビジネスチャット、テレビ会議、Web会議、VPN、仮想デスクトップ、そして仮想サーバープラットフォームなど数多くの要素からなる。そして、シスコはこれらをトータルで提供可能だが、石原氏は「一度にすべてを導入しようという話ではない」と説明。そのうえで、大切なのは「最終的な像を思い浮かべながら、ジグソーパズルのピースを集めていくこと。バラバラに構築していくと、せっかく入れたのに統合できないなどの問題が後で起こる」とし、「シスコならロードマップをきちんと考えたIT投資ができるようになっている」と語った。