NECとNXHD、フォークリフトに“後付け”で自動遠隔搬送を実現

NECとNIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は2023年8月28日、フォークリフトを活用した倉庫内作業の効率性と安全性を向上させる自律遠隔搬送ソリューションを共同で開発したと発表した。両社が2020年10月から取り組んでいる価値共創に向けた探索プロジェクトの成果となる。

自律遠隔制御対応のフォークリフト

自律遠隔制御対応のフォークリフト

このソリューションは、アクチュエータ、カメラ、LiDARなどのセンサーを既製のフォークリフトに後付けすることで、自律遠隔制御対応を可能にすることが特徴の1つ。倉庫へのカメラやセンサーなどの追加設置が不要なため、早期導入が可能としている。物量や需要に応じ、自律制御、遠隔操縦、登場操作を簡単に切り替えられるという。

また、倉庫内の搬送ート設定は、映像データを元にシミュレーションし自動設計する。人間が行っていた作業が自動化されるため、ソリューションの導入期間が短縮されるという。自律制御時はフォークリフトのカメラやLiDARなどのセンサーを用いてリアルタイムにルートの見直しを行う。フォークリフトの速度調整には、NECが開発した「リスクセンシティブ確率制御技術」を活用する。搬送ルート上の障害物や人などへの衝突リスクを把握し、状況に応じて速度を自動調整する。これにより、安全を確保しつつ、生産性改善につながるとしている。

すべてのフォークリフトのカメラ映像やセンサー情報はクラウドに集約し分析、制御されるため、複数拠点にある複数台のフォークリフトを倉庫外からも管理・操作が可能となる。これは、労働力の集約と1人あたりの作業効率の向上に貢献するという。

遠隔操縦イメージ

遠隔操縦イメージ

今後、両社は倉庫内での実証実験を通じ同ソリューションの早期事業化を目指す。また、在庫管理や入出庫管理を含む倉庫管理システムとの連携を図り、棚卸管理まで含めた物流倉庫の自動化を推進していくとしている。

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