ブロケードが“イーサネットファブリック”を強化する新製品「大規模クラウドにも対応」

ブロケード コミュニケーションズ システムズが仮想化データセンター向け製品群の拡張を発表した。これにより、「イーサネットファブリックにおけるリーダーシップを確固たるものにする」という。

ブロケード コミュニケーションズ システムズは2011年9月9日、仮想化データセンター向けイーサネットファブリックソリューションを拡張する製品群の記者発表会を開催した。

今年1月からイーサネットファブリック製品の国内出荷を開始している同社は、すでにアイネットとさくらインターネットへの導入事例を持つが、「今回の新製品により、イーサネットファブリックにおけるリーダーシップを確固たるものにする」と青葉雅和社長は説明。また、データセンターテクノロジー部部長の小宮崇博氏も「単なる製品発表ではない。データセンターネットワークを大きく変える意義がある」と話した。

今回発表されたのはまず、同社のイーサネットファブリック実現技術であるVCSテクノロジに対応した「Brocade VDX 6710」と「Brocade VDX 6730」の2つのスイッチだ。従来はVDX 6720の1タイプだけだったが、製品ポートフォリオを広げた。

Brocade VDX製品ポートフォリオが拡大。エントリーモデルのVDX 6710とFCポート搭載のVDX 6730が加わった
Brocade VDX製品ポートフォリオが拡大。エントリーモデルのVDX 6710とFCポート搭載のVDX 6730が加わった

VDX 6710は、ダウンリンク側に10Gbpsではなく、1Gbps×48ポートを装備したエントリーモデル。アップリンク側には10Gbpsを6ポート備える。参考価格は9500米ドルで、「イーサネットファブリックのマーケットを広げられる」と青葉氏は話した。

もう1つのVDX 6730の特徴は、FC(Fibre Channel)ポートも装備した点だ。このためLANとSANの統合が可能。1/10Gbps SFP+×24と2/4/8Gbps FC×8を搭載したVDX 6730-32と、1/10Gbps SFP+×60と2/4/8Gbps FC×16のVDX 6730-76の2つのモデルを用意する。参考価格は1万720米ドル~。

1つのイーサネットファブリックで1000ポートに対応可能に

VCSテクノロジの機能強化も図られた。従来、1つのイーサネットファブリックを構成できるスイッチの台数は最大12台だったが、今回最大24台に拡張されている。これにより、従来よりも大規模な仮想化データセンターに対応可能になった。「60ポートのスイッチで構成すると1000ポートに対応できる。『1000ポートでは少ないのでは?』と思われる方もいるだろうが、VMwareのvCenterで管理できる物理サーバーの台数は1000台。この上限に合わせた」(小宮氏)という。なお、これ以上のポート数が必要な場合には、イーサネットファブリック間接続を行うことで対応できる。また最終的には、1つのイーサネットファブリックを最大100台で構成できるようにする考えだという。

より大規模なクラウドでの導入に対応するなど、VCSテクノロジも強化
より大規模なクラウドでの導入に対応するなど、VCSテクノロジも強化

このほか、統合ネットワーク管理アプリケーションの「Brocade Network Advisor」も強化。これまではコマンドラインのみだったが、GUIでの管理が可能になった。またNETCONFによるスクリプティングもサポートし、運用管理性が向上したという。さらにVMware vCenterとの連携による自動コンフィグ機能も新たに搭載された。

ブロケードは「CloudPlex」というクラウドアーキテクチャを提唱しているが、今回の発表によってフェーズ2に入ったという。次のフェーズ3は、「日本国内だけでなく、地球上のあらゆるデータセンターを結合するためのエクステンション」(小宮氏)だ。サーバー仮想化やクラウド化の進展に遅れぬように、ネットワークを着々と進化させていっているわけだが、青葉氏によれば、最近ようやく仮想化データセンターにおけるイーサネットファブリックの必要性が認知されてきたとのこと。「来年には『データセンターといったらファブリック』というのが標準的になってくるのでは」との見方を示した。

CloudPlexのロードマップ。今回の発表でフェーズ2に入った
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