――あらゆる分野でサービス化が進んでいますが、エフセキュアは10年前から通信事業者やサービス事業者などのパートナーを介し、サービスとしてセキュリティを提供してきました。
コンティネン 多くのセキュリティベンダーが存在するなかで、エフセキュアがユニークな点は、まさにこのGo to Market戦略にあります。サービス事業者を通じたマーケット展開に集中しているベンダーは、我々が唯一だと思います。
――ただ、クラウド化やスマートフォンの普及などを背景に、最近は競合他社もサービス事業者との協業に積極的ですね。
コンティネン 確かにその通りですが、次の2つの点で我々は依然ユニークと言えます。第一に、ボーダフォン、テレフォニカ、AT&T、オレンジなど200社を超えるサービス事業者とすでに一緒にビジネスをしているエフセキュアは、非常に良いスタート地点に立っています。しかも強調したいのは、我々のサービス提供をやめたパートナーはこの数年間で1社もいないということです。
もう1つは、アンチウィルスなどのセキュリティだけでなく、ストレージサービスもラインナップしている点です。約2年前からコンシューマや中小企業を対象に、ユーザーの大事なデータをバックアップするストレージサービスを展開しています。さらに今年の第1四半期から、PCやスマートフォンなど複数デバイス間でデータの共有・同期が行えるサービスも始めました。エフセキュアは、セキュリティにとどまらない付加価値サービスにソリューションを広げ、サービス事業者を経由して提供しています。
――なぜストレージサービスを提供することにしたのですか。
コンティネン セキュリティとストレージは、非常に親和性が高いのです。ユーザーのデータ/コンテンツを「守る」という観点では同じだからです。
我々が世界各地で行った調査で1つ分かったことがあります。それは、ユーザーはウィルスに対する脅威はあまり感じていない一方、自分のデータを失くすことについては非常に心配しているということです。例えば結婚式にデジカメで撮った写真などは、本当にかけがえのないデータです。