NTT 代表取締役社長 島田明氏(左)
NTTは2023年8月9日、2023年度第1四半期の決算説明会を開催。その中で、島田明社長がNTTの完全民営化問題について記者陣の質問に答えた。
自民党内で政府が保有するNTT株の売却に関する議論が始まっていることについて、島田氏は「基本的に我々はニュートラルであり、売却されても保有を継続されてもよい」と説明した。
そのうえで、「株主様がいらっしゃるので一気に売却されると株価に影響を及ぼす」と株価にできるだけ影響を与えない売却方法を要望。NTT完全民営化を議論する自民党の検討チームの座長に就く甘利明前幹事長が、20年などの長期での売却していく考えをテレビ番組で述べたことに対しては、「我々としては非常にありがたい。感謝申し上げたい」とコメントした。
政府が保有するNTT株の時価総額は4兆円超だが、NTTは過去24年間で約5兆5000億円の自己株式取得を行っている。仮に20年間をかけて売却するとなった場合、これまでの実績を考えればNTTが政府放出株の全部を引き受けることも可能だ。「自己株にするのかマーケットに出すのか。株主の皆様からすると、自己株が安心できる売却の仕方になる。我々としても自分たちの能力の範囲の中で最大限の協力をしていきたい」と島田氏は語った。