<特集>もっと儲かる5Gへ【世界の5Gマネタイズ動向】速度別料金プランが台頭

5G先進国は「儲かる5G」を実現できているのか。4Gからの迅速な移行に成功した事業者の成功例からは、速度による料金差別化、コンテンツバンドル、FWAという新たな収益化のトレンドが見えてきている。

2019年に米韓で5Gがスタートしてから早4年。約100カ国、230超の5Gネットワークが商用稼働している。5G契約数は10億を突破し、前世代の4Gよりも早いペースで普及している。

ただし、この5G普及が通信事業者(MNO)の収益増に結びついているかと言えば、MNOにとっては決して喜べない状況だ。5Gインフラの展開にかかる莫大な投資と比べれば、その成果は微々たるもの──。少なくとも現時点での5Gは、そんな評価をくだされても仕方ない状況にある。

「2.5%」対「22.5%」

モバイル通信サービスを提供するMNOと、その上でEコーマス(EC)や広告、動画・ゲーム等のビジネスを行うサードパーティとの差を示す興味深い数字がある。2.5%と22.5%だ。

ノキアの調査によれば、MNOが提供するコネクティビティ(接続)サービスの収益は、2018年に7310億ドル、2022年は8070億ドルで、年間成長率は2.5%に過ぎない。モバイルデータトラフィックが膨れ上がっているにもかかわらずだ。

対して、モバイルインターネット上で行われる小売/ECの収益は同期間に年率24%で成長した。広告は17%だ。サードパーティ合計では、2018年の1兆6820億ドルから2022年に4兆ドルへと、年率22.5%で伸びた。現状のままではこの差は開く一方だ。

もちろん、MNO自身もコネクティビティ以外の事業を行ってはいる。だが、「投資によって得られる恩恵は非常に限定的。基本的には、MNO以外の人たちが恩恵を得る“不健全”なことが起こっている」と、ノキアソリューションズ&ネットワークスCTOの柳橋達也氏は指摘する。

ノキア ソリューションズ&ネットワークス CTO 柳橋達也氏

ノキア ソリューションズ&ネットワークス CTO 柳橋達也氏

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