“ホワイトボード”から“ビジュアルワークスペース”へ AI搭載で進化したMiro

単なるオンラインホワイトボードではない――。ミロ・ジャパンは同社のビジュアルワークスペース「Miro」の説明会で、この製品がイノベーションを支援するプラットフォームに進化した自信を覗かせた。ポイントは徹底した情報の集約・可視化と、ユーザーに寄り添ったAIの活用だ。

ミロ・ジャパンは2023年6月30日、東京都内で記者説明会を開き、同社が提供するビジュアルワークスペース「Miro」に昨年11月以来搭載してきた新機能を紹介した。

Miroは2011年米国で創業。オンラインホワイトボードツールを提供し、2021年11月には本格的に日本国内での展開を開始した。全世界でのユーザー数は5500万人を数え、ボストンコンサルティンググループが選ぶ世界で最も革新的な企業トップ10社のうち7社がMiroエンタープライズプランの顧客だという。日本のユーザーは昨年の70万人から現在120万人と増加し、他国にないスピードで伸びているとのことだ。

6つの機能群でイノベーションを支援

ミロ・ジャパン 代表執行役社長の五十嵐光喜氏

ミロ・ジャパン 代表執行役社長の五十嵐光喜氏

ミロ・ジャパン 代表執行役社長の五十嵐光喜氏は、「これまでイノベーションは(企業の)成長のための手段と思われていたが、今経営者は生き残りのために必須だと思っている」と、企業経営においてイノベーションを起こす組織作りが喫緊の課題であることに言及した。そこで、ホワイトボードからビジュアルワークスペースに進化したMiroが、チームや現場に力を与えるプラットフォームとしてイノベーションをアイデア創出から実現化・業務プロセス改善、実績管理などまで、End-to-Endで支援・実現するという。

Miroはオンラインホワイトボードから始まり、10年来進化を続けているという

Miroはオンラインホワイトボードから始まり、10年来進化を続けているという

Miroの進化は、具体的には6つの機能群とそれを支える2つの基盤に現れている。機能群には、タスクや各種ドキュメントなどをMiro上に集約して一覧できるビジュアルプロジェクトマネジメントや、対話型AIによって様々な支援を行うMiro AIが含まれる。基盤にはZoomやTeams、Slackなどのツールとの連携を行うプラットフォームと、セキュリティやデータガバナンス、コンプライアンス等を担保するエンタープライズ基盤がある。

Miroの機能群と2つの基盤。なお、こうしたプレゼンテーション資料もMiro上で作成している

Miroの機能群と2つの基盤。なお、こうしたプレゼンテーション資料もMiro上で作成している

6つの機能群の1つであるビジュアルプロジェクトマネジメントのデモを、同社Solutions Engineerの高木智礼氏が行った。あるプロジェクトを進めるとき、様々な情報やツールが点在し、業務の効率化を妨げる。また、メンバーの職種や所属も様々で、途中からアサインされたメンバーもいる。こうしたメンバー全員に向けて情報を集約することもまた困難だ。

ビジネスの場においてチャットツールやビデオ会議システムはもはや必須のものになったと言ってよい。しかし、そうしたツールは基本的にリアルタイムでのコラボレーションをサポートするものだ。Miroは上図左側の円グラフのように、それらの既存ツールを補完する。アイデアやプロセスを保存し、誰でも目に見える形で保持しておくことができる。従来の企業向けサービスが不得手としてきた、非同期の情報共有に強みを持っている。

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