KDDIは2011年7月28日、企業を対象にしたAndroid端末向けセキュリティ管理サービス「KDDI 3LM Security」を11月から開始すると発表した。これに先立ち、一部の法人顧客を対象に8月下旬からトライアルサービスを開始する。また、個人向けにも今秋からの提供を予定しているという。
KDDI 3LM Securityは、米Three Laws of Mobility社(以下、3LM社)が開発したセキュリティプラットフォームを採用したセキュリティ管理サービスだ。KDDIと3LM社は今年3月1日に提携を発表している(関連記事)。
KDDI 執行役員 商品統括本部長の牧俊夫氏 |
OS改修で、他にはない機能を実現
企業がAndroid端末をセキュアに活用するためのソリューションとしては、いわゆるMDM(Mobile Device Management)が様々なベンダーから提供されている。そうした既存のソリューションとKDDI 3LM Securityで大きく異なっているのは、「OSレベルの改修により、強固なセキュリティを実現している」点だとKDDI 執行役員 商品統括本部長の牧俊夫氏は説明した。
「KDDI 3LM Security」の機能一覧 |
KDDI 3LM Securityでは、3LM社のフレームワークを搭載したAndroid端末を利用する。当初はパンテック製の「EIS01PT」と「SIRIUS α IS06」、そしてNECカシオモバイルコミュニケーションズの「G’zOne IS11A」が対応。さらに今年秋以降には全機種が3LMのフレームワークに対応する予定となっている。
OSレベルで改修することのメリットは、従来できなかったセキュリティ機能を実現できることだ。一例として牧氏が挙げたのは、SDカードの暗号化。紛失・盗難対策として多くのソリューションはリモートロック/ワイプの機能を提供するが、これで守れるのは本体内のデータだけ。対して、KDDI 3LM Securityでは本体/SDカードの192bitAESによる暗号化、そしてもちろんリモートロック/ワイプの機能も提供される。
本体およびSDカードのデータ暗号化やFeliCa、赤外線などのデバイス制限なども可能 |
また、デバイス機能の制限についても、カメラ、Wi-Fi、Bluetooth、FeliCa、赤外線、ワンセグ、SDカードの利用を制限することが可能だ。カメラやBluetoothの利用制限が行えるソリューションは他にも多いが、FeliCaや赤外線などまで制限できるのはOSレベルで改修されているからこそだという。