日本マイクロソフトは2023年6月22日、メディア向けに「中堅中小企業をエンパワーするAIにおける取り組みをご紹介」と題する説明会を行った。この中で、生成AIを活用したビジネスに取り組むスタートアップ企業をベンチャーキャピタルと連携し支援する「Generative AI Acceleration Program」を同日より開始すると発表した。
「Generative AI Acceleration Program」の概要
日本マイクロソフト 執行役員 常務 コーポレートソリューション事業本部長 兼 デジタルセールス事業本部長の三上智子氏は説明会の冒頭、同社は日本の中堅中小企業のDXを支援するために4つの取り組みを行ってきたと述べた。それは、Teamsを軸としたハイブリッドワークの推進、ビジネスプロセスのデジタル化、スタートアップ企業と連携したインダストリーDX、高度化するサイバー攻撃への対応力強化だ。
マイクロソフトCEO サティア・ナデラ氏は製品の機能を一変させるようなAIを搭載すると述べる。右上が三上智子氏
「OpenAIで引き合いが10倍に」
「スタートアップ企業自体が中小企業であると同時に、そうした企業のサービスを利用することにより中小企業のDXを進めるというサイクルを描いていきたい」と三上氏が語ったように、マイクロソフトはスタートアップ企業支援に力を入れてきた。2019年に取り組みを始め、2022年6月の段階では380社を支援していた。これを受けて昨年、2026年6月には1000社の支援を目標とするとアナウンスした。ところが、この1年間で新たに482社のスタートアップが参画し、現在は862社が支援を受けている。そのため、支援目標を2000社に上方修正したという。
マイクロソフトによるスタートアップ企業支援
この2000社支援という目標達成に向けた取り組みが今回発表されたGenerative AI Acceleration Programだ。これまでマイクロソフトはあまり接点がなかったというベンチャーキャピタル6社と連携し、スタートアップ企業の生成AIビジネスを支援する。同社はテクノロジー支援として、AIに関連する情報提供、ハッカソンや勉強会などのイベントを行う。また、各ベンチャーキャピタルの投資企業向け勉強会やメンタリングセッションも実施する。
支援目標を上方修正したことについて三上氏は、メディアの質問に答える形で「OpenAI(とのパートナーシップ)で引き合いが10倍になった」と述べ、目標に上乗せされた1000社のほとんどが「AIを活用する企業だと思ってもらっていい」と、AIに対する期待が高まっていることを説明した。