「我々はゲーム業界のDNAを持っている」
日本市場への本格参入を機に、2023年6月20日に記者発表会を開催したGcore。同社の特徴を最もよく表すのが、Head of Global Allianceを務めるトーマシュ・ジェンバ氏のこの言葉だ。
GcoreでHead of Global Allianceを務めるトーマシュ・ジェンバ氏
オンラインゲーミングのユーザーは通信品質の安定性、特に低遅延性に関する要求レベルが非常に高い。しかも、数百万ものゲーマーが同時接続するなかでその品質を保たなければならない。
「そんな環境の中で我々のサービスは始まった」と同氏。現在はゲーム業界のみならず様々な産業界に顧客を抱えるが、この低遅延性やスケーラビリティに代表されるプラットフォームの品質の高さが最大の差別化ポイントだと強調した。
ネットワーク容量は110Tbps、平均遅延は30ms
Gcoreは創業から約9年で世界に140超のPoPを展開し、世界各国の通信事業者をはじめ1万1000のピアリングパートナーを持つまでに成長した。
Gcoreの事業概要
各拠点を結ぶ基盤ネットワークの容量は110Tbps。国家間および都市間をつなぐトランスポートネットワークの増強に特に力を入れており、拠点間の平均遅延は30ミリ秒(ms)という。2024年度末までには「平均5ms」まで遅延を短縮すべくインフラを増強するという。
アジアには28のサービス拠点を構えており、2017年に東京、2020年には大阪にサービス拠点を設けて日本でもサービスを提供している。
Gcoreのグローバル/リージョナル拠点
そして今回、日本法人を設立して国内市場への本格参入を果たす。日本カントリーマネージャーに就任した磯村広紀氏は、「ユーザーとの距離を短くすることがレスポンス最短化のポイントであり、今後もGcoreのプラットフォームを拡張していく」と方針を説明した。
Gcoreは、CDNや動画配信以外にもIaaS/PaaSやオブジェクトストレージ、エッジAI、Webアプリケーションセキュリティなど幅広いサービスを揃える。これらを活かし、国内ではインテグレーター等とのパートナーシップにより事業を拡大していきたい考えだ。