Google Appsでドキュメントを社内共有する頓知ドット
ARアプリ「セカイカメラ」で有名なベンチャー企業、頓知ドットの場合は設立当初からグーグルのサービスを活用しているという。
「一番使っているのはもちろんGmail。また、Googleカレンダーで全員のスケジュールが見えるようになっているのに加えて、社内会議室の予約にも利用している」と同社CTOの近藤純司氏は話した。
さらに、「社内でシェアするドキュメントについてはGoogleドキュメントを利用することが増えているほか、Googleビデオもうまく使っている」という。Googleビデオとは、いわば企業版のYouTube。頓知ドットでは社内勉強会などの映像をアーカイブしており、参加できなかった人が後から見られるようにしている。
なお、Googleドキュメントについては、戸田建設の佐藤氏から「例えば罫線の太さを変えたりなど、日本的な表組の作り方というのがあり、まだまだメインでは使えない」という指摘もされた。
ノーリツ「SNSを早く企業向けにも展開してほしい」
長年オンプレミスでITシステムを運用してきた大企業にとって、クラウドへの移行は大きな決断ともいえる。戸田建設の場合はBCP対応が強い後押しとなったが、ノーリツの場合はどうだったのか。「最初から情報システム部門にいる人からすれば、確かにそうかもしれないが、私は営業部門出身。これからはクラウドと考えていたので、それほど大きな決断ではなく、経営者もこの点に関しては理解してくれた」(同社の長尾謙一郎氏)と、スムーズに社内の説得は行えたという。
ノーリツがグループウェアをGoole Appsに移行した背景にあったのは、既存システムに対する従業員の強い不満だ。メールボックスが20MBしかなく、しかも20MBを超えている場合、メールを送信できない仕組みとなっていた。
そこで既存グループウェアの延命、新しいオンプレミス型の導入、クラウドの3つの候補を俎上に載せ、コスト/セキュリティ/品質/将来性/検索性などを比較。「セキュリティを除くと、グーグルに丸が付いた」という。
セキュリティ面で心配したのは、世界中どこからでも、どんなデバイスからでもアクセスできてしまう点だった。しかし、インターナショナルシステムリサーチ(ISR)のGoogle Apps対応端末認証サービスを用いることで、この課題は解決できたという。
Google Appsの導入で、ノーリツのコミュニケーションインフラは大きく改善。「週1回メールを消していたのが、一生大丈夫になった。これは業務効率が上がる」と長尾氏。さらに、「情報共有はこれからますます大切になる。グーグルは最近SNS(Google+)を新たに開始したが、Google Apps for Businessにも早く入れてほしい」と注文を出した。