ローデ・シュワルツは、6G(Beyond 5G)での利用が見込まれているサブテラヘルツ帯に対応したレディメイドの無線伝送試験ソリューションの展開に力を入れている。6Gでの利用が有力視されているDバンド(110~170GHz)に対応した試験ソリューションをすでに製品化している。
また、日本で研究・開発が意欲的に進められている300GHz以上の周波数帯に対応できるアップ伝送試験ソリューションの製品化も進められており、ブースではアップ/ダウンコンバーターのプロトタイプを用いた330GHz帯の伝送試験装置の実機デモが行われている。発売は「2023年末頃になる」とのことだ。
330GHz帯伝送試験装置のデモンストレーション
今回の展示のもう1つの目玉といえるのが、低軌道衛星(REO)との直接通信に対応したスマートフォンの開発に用いられる「NTN基地局シミュレーター」だ。
NTN基地局シミュレーター(下)、上はGPS信号を生成するシグナルジェネレーター
NTNの仕様は昨年、LTEをベースに3GPP リリース17で標準化されており、そのうちNB-IoTをベースにしたものの商用化をメディアテックが推進している。
実用化されれば、山岳地帯や海上など、地球上のどこからでもメッセージ通信を行うことができる。NTNでは、携帯電話の2GHz帯や1.7GHz帯に隣接する衛星通信用の帯域(n265、n255)の利用が想定されており、スマートフォンに実装しやすいと見られている。
出展されたNTN基地局シミュレーターは、基地局の信号を模擬するだけでなく、遅延や衛星と地上との相対速度によるドプラー効果などを含むNTNの通信環境を再現できるもの。今年2月に開かれたMWCバルセロナ 2023で実施されたNTNのトライアルにもこの製品が用いられたという。