JR東日本とKDDIは2023年5月16日、東京・高輪ゲートウェイ駅周辺エリアで、街の設備や街の人に関するデータを収集・分析するデータ基盤 (以下、都市OS)の構築を通して、新たなサービスの創出を可能にする街づくりに取り組んでいくことを発表した。また、KDDIは2025年春をめどに同エリアに整備される「TAKANAWA GATEWAY CITY」に本社を移転することを合わせて明らかにした。
JR東日本とKDDIの共創イメージ
両社は2020年12月に、場所や時間にとらわれない多様な働き方やくらしを創出する新しい分散型の街づくりである「空間自在プロジェクト」の実現に向け基本合意書を締結している(参考記事:JR東・KDDIが描く未来都市 場所や時間を超える「空間自在」なまちづくり)。その一環として、今年1月には自動走行するロボットによる配送サービスの検証を行った。
今回、「分散型まちづくりの実現に向けた取り組み」として、TAKANAWA GATEWAY CITYでデジタルツインを活用した新たな体験の創出と、スタートアップ事業共創プログラムを実施する。前者では、都市OSにより様々な行動データを分析し待ちに関わる人に快適なくらしをレコメンドするサービスや、防災シミュレーションを活用した強靱な街づくりの推進、ロボットを活用したサービスの開発が挙げられている。後者では、「高輪ゲートウェイStartup Program with JR東日本 × KDDI」と称しスタートアップ支援を行い、「世界一グリーンなまちづくり」と「クリエイターが輝くまちづくり」のテーマで計3件の取り組みを採択した。
さらに、「空間自在ワークプレイスの多用途展開」を行う。JR東日本が新潟県、栃木県の鉄道駅に設置している「空間自在ワークプレイス」をTAKANAWA GATEWAY CITYでも活用。従来のビジネス用途をエンターテインメント領域にも広げ始めているが、教育、旅行など多分野にも拡大するとしている。
KDDI新本社は、TAKANAWA GATEWAY CITYの複合棟ⅠNorthへ移転する。移転の目的には、分散型スマートシティを自ら実践することを掲げている。CO2排出実質ゼロを実現し、環境先導のサステナブルなまちづくりをJR東日本とともに推進していくという。