ロシアによるウクライナ侵攻、ChatGPTの登場など、次々と大きな変化が起こる現代──。予測困難な時代となった今、自ら未来を切り拓
ていくためには、最新のテクノロジーを積極的に活用しながら、果敢にチャレンジしていくほかないはずだ。

では、未来はどんなテクノロジーで切り拓けるのか。その重要な1つが、5Gをはじめとする「ワイヤレス」であることは間違いない。

国内最大級のワイヤレス専門展示会「ワイヤレスジャパン」と「ワイヤレス・テクノロジー・パーク」が5月24日～26日の3日間、今年も東京ビッグサイトで開催される。2023年のメインテーマは「Wireless NEXT！ – 壁を破る」。停滞・不透明化する社会経済に立ちはだかっている様々な「壁」を打破するのに寄与する、最先端のワイヤレス技術×ソリューションに関する展示と講演・セミナーが多数行われる。

総務省、4キャリアが基調講演　5Gミリ波の特設コーナーも

基調講演の口火を切るのは、総務省 電波部長の豊嶋基暢氏だ。電波政策の最新動向を紹介する。

また、NTTドコモ、KDDI総合研究所／KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルのキーパーソンも登壇し、5G/Beyond 5G 戦略を語る。東京大学教授の柳川範之氏が展望する5G/Beyond 5G 時代の社会経済も必聴だ。NTTドコモ、KDDI総合研究所、ソフトバンクは注力ソリューションを展示会場でもアピールする。

5G/ローカル5Gは現状、本格普及前の“助走期間”がまだ続いている。離陸のカギを握る1つが、5Gから加わった新しい周波数「ミリ波」の活用である。今年のワイヤレスジャパン×WTPでは、5GMF（第5世代モバイル推進フォーラム）のミリ波普及推進アドホックがセミナーと展示を実施。5Gの今後を占う重要な機会となりそうだ。

日本のICT研究開発をリードするNICTは最先端のワイヤレス研究の成果を、総務省も「電波資源拡大のための研究開発」の成果などを大規模ブースで披露する。

スペースICT、Wi-Fi 6E、Matterなど話題技術が勢揃い

来場者の大きな注目を集めそうな展示やセミナーはまだまだ尽きない。

製造・物流・医療・インフラのDXを支える無線活用の現在・未来をセミナーと特設ブースで紹介するのは、Flexible Society Project（FSPJ）だ。これまでFlexible Factory Project（FFPJ）として製造業にフォーカスしていたが、より広い領域へ取り組みを発展させた成果を披露する。

IoT無線の代表格、SigfoxとWi-SUN、そして日本でも遂に昨年始まったIEEE802.11ahに関する基調講演や展示も見逃せない。昨年解禁となった無線規格としては、Wi- Fi 6Eへの期待も高いが、Wi-Fi 6Eに関する展示にも期待できそうだ。話題のスマートホーム新規格、Matter関連の展示も複数予定されている。

NTT東日本は、ローカル5Gなどをテーマに展示と基調講演を行う。さらに、衛星通信など宇宙への関心が高まるなか、スペースICT推進フォーラムも初出展。セミナーと展示で最新動向を共有する。

毎年恒例、月刊テレコミュニケーションの連載でもお馴染みの野村総合研究所の北俊一氏による「スマートフォン販売流通ビジネスセミナー」ももちろん開催される。

「2024 年問題」に直面する運輸・物流業界の課題を解決

併催の「運輸安全・物流DX EXPO」には、運輸・物流業界の悩みを解決するICTソリューションが大集結する。なかでも注目は、ドライバーの労働時間の上限設定に伴い、人手不足の深刻化などが懸念される「2024年問題」へ対応するためのソリューションだ。業務効率化や労働環境改善を実現する数多くの具体策を見つけることができる。AIを活用した未来の交通安全をテーマに基調講演に登壇するStreamax／日本鋭明技術をはじめ、セミナーも大充実である。

目の前に立ちはだかる壁を打ち破るため、「次」はどこへ向かえばいいのか？　5月24日～26日の3日間、東京ビッグサイトに足を運べば、その答えが見つかるはずだ。