次世代スマートメーターIoTルートの有力候補に
セミナーでは、2025年度に運用を開始する次世代スマートメーターに関連したセッションとして、中部電力パワーグリッド 電子通信部 通信システムグループ グループ長の音川淳氏が、IoTルートの概要をテーマに講演した。
IoTルートとは、ガスや水道のスマートメーターに接続される無線端末と電力スマートメーター間の無線インターフェースのことだ。
一般送配電事業者が共同検針を行う場合、事業者ごとに異なるインターフェースを採用すると、共同検針を利用する事業者、あるいは無線端末や検針システムを開発するメーカーにとって不便になる。また、全国に10社ある一般送配電事業者が、それぞれ異なるインターフェースを準備することは合理的ではない。
そこで、IoTルートおよび他システム連係部の入出力インターフェース(サーバー間)について統一したインターフェースが必要という認識のもと、検討が進められてきた。
ただ、「ガス事業者や水道事業者の要望に応えることも必要なため、5つの無線方式の中から最低1種類を採用することを基本としている」と音川氏は説明した。
具体的には、NPO法人テレメータリング推進協議会(JUTA)が制定したテレメータリング用無線通信規格Uバスエアをそのまま実装する「Uバスエア標準」、Uバスエアのマルチホップ機能を使わず、電力メーターからワンホップで接続する「Uバスエア スター型」、デジタル通信で受信側にこれからデータが送られてくることを知らせるため、データ本体に先立って送信される決まったパターンのビット列であるプリアンブルの長さをBルートと同じにした「Uバスエア ベース案」、そして「Wi-SUN Enhanced HAN」、「Wi-SUN FAN1.1」だ。
IoTルート無線方式の選定の考え方
ちなみに、京大の原田氏は講演の中で、個人的な見解として「省電力駆動の無線機との接続に適するといった特徴から、Wi-SUN Enhanced HANが有力ではないか」との認識を示した。
Wi-SUNアライアンスは、来る5月24日~26日に開催される「ワイヤレスジャパン 2023×ワイヤレス・テクノロジー・パーク2023」で出展および講演を予定している。今後ますます成長が予想されるWi-SUNの最新動向を知るための絶好の機会だ。
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