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Matterがもたらす3つの価値
「様子見していると乗り遅れる。iOSもGoogle HomeもAlexaもすでにレディの状態。日本国内でもMatterの普及は時間の問題だ」
スマートホームの新標準規格「Matter1.0」が2022年10月4日に正式リリースされた。Matter認証機関となったAllion Labsの日本法人、アリオンジャパン 代表取締役社長の中山英明氏は国内のデバイスメーカーへ、そう警鐘を鳴らす。
アリオン ジャパン 代表取締役社長 中山英明氏
Matterは、メーカーやプラットフォーム、通信方式が異なるIoTデバイス/アプリケーションの相互運用性を担保することを目的に、CSA(Connectivity Standards Alliance。旧Zigbee Alliance)が策定した共通規格だ。
アマゾン、アップル、グーグルとサムスンが2019年末に立ち上げたプロジェクト「Connected Home over IP(CHIP)」を発端とし、その名の通り、インターネットプロトコルに基づいて設計された。2021年5月に名称をMatterに変更した後、今回、最初の仕様の公開とともにオープンソースのSDKやテストツールの提供、認証プログラムが開始された。
この規格に準拠したデバイスはアマゾンのAlexaでも、Googleアシスタントでも、アップルのSiri(HomeKit)でも操作できる──。Matterが実現しようとしているのは、そんな世界だ。デバイスメーカーは、Matterの標準仕様に基づいて開発することで、これらのプラットフォームすべてで利用可能なデバイスを提供できる。
アマゾンは2022年12月からEchoデバイスでMatterをサポートする予定
グーグルは10月4日に発表した新しいGoogle HomeアプリでMatterに対応する
(画像:アマゾン、グーグルのWebサイトより)
加えて、Matterはデバイス接続のセットアップやセキュリティ設定を簡便化したうえで共通化。面倒な手間なく、ITスキルのない人でもホームオートメーションを実現できるようになる。
つまり、Matterは「相互運用性」と「シンプル化」「信頼性」の3つをスマートホーム市場にもたらす。