<特集>デジタル田園都市国家構想群馬県前橋市のデジタル力 官民共創で「めぶく」DX

群馬県の県庁所在地である前橋市。人口33万人のこの地方都市が、地域DXの旗手として全国から注目を浴びている。10年来の官民共創で芽吹いた花が、デジタルの力でいま開こうとしている。

JR両毛線の前橋駅北口を出ると左手に6階建てのビルが建つ。この「AQERU(アクエル)前橋」は、一見して一般的な商業施設のようだが、実はここが前橋市のDXの拠点だ。

1階には大型書店とカフェ、コンビニが出店するほか、地元企業が運営するロボットのショールームがある。オープンなスペースで配膳ロボットや案内ロボットなどがデモ稼働している。

地下1階にあるのは、ドッジボールのようなARスポーツ「HADO」のスタジアムや、最新の映像技術と日本の伝統文化を同時に体験できるエデュテイメント施設の「ENNICHI by1→10」。2階には予備校や市教育委員会が運営する高校生向けの自習室があり、フリースペースでも勉強に励む学生の姿が見られる。デジタルクリエイティブ体験施設「tsukurun」では、県内在住の小中学生・高校生なら無料でVR機器、3Dプリンター、動画編集ソフトなどを利用して創作活動に取り組むことができる。

上層階はオフィスフロアだ。昨年、前橋市のデジタル施策のパートナーであるデロイトトーマツが同社初の地域イノベーション拠点として入居した。そして、DXで中心的な役割を担う官民連携会社・めぶくグラウンドが6階に本社を構えている。

1987年にイトーヨーカドー前橋店として竣工した建物が、35年を経て地域の変革の鍵を握る場所に変貌を遂げたのだ。

前橋駅北口の「AQERU前橋」。前橋市の地域DXで中心的役割を担うめぶくグラウンドが入居する

前橋駅北口の「AQERU前橋」。前橋市の地域DXで中心的役割を担うめぶくグラウンドが入居する

前橋市は昨年の「夏のDigi田甲子園」で、視覚障害者の歩行をサポートするシステム「めぶくEYE」によりアイデア部門の最優秀賞を受賞した。画像解析技術とAIを用いて障害物や信号の色などを認識・検出するだけではなく、利用者がスマホアプリを介して周囲の人に援助を求める仕組みを導入することがポイントだ。

システムの基礎になるのが「めぶくID(旧まえばしID)」を核とした共助プラットフォームだ。市民がマイナンバーカードと連携した統合IDを取得し、オプトインのうえで様々な活動に参画する。めぶくEYEでは、このIDを活用して市民の「手伝ってほしい」「役に立ちたい」という思いをつなぎ、移動介助に結びつける。

このめぶくIDの発行を始めとするデジタルによる街づくりの担い手が、2022年10月6日に設立されためぶくグラウンドだ。

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