韓国モバイルビジネス動向ウォッチ[第6回]車のインテリジェント化に活路を見出すKT

今年の韓国ITの一環したテーマは「スマートXX」だ。様々な分野でスマート化を推進している。そこで、これからの数回はスマートXXをテーマに考えてみたい。今回は「スマートカープロジェクト」だ。

去る2010年12月16日、GSカルテックス、メルリッツ火災保険会社、KT(韓国通信)の3社は、スマートカープロジェクト推進のためのMOU(覚書)を締結した。

このプロジェクトは、国内のカードライバーを対象に、ITを活用したエコドライビングの普及促進を図ろうというものである。ガソリン・自動車保険・通信の3業界を代表する前述の3社のほか、政府も協力する官民共同プロジェクトとなっており、排気ガスの節減や都心部の交通量削減などを目的としている。

スマートカープロジェクトで特筆すべきなのは、スマートフォンとOBD(On-Board Diagnostic)の連携により、エコドライビングを実現しようとしている点だ。OBDとは、ほぼすべての自動車に搭載されている車載式故障診断システムのことで、自動車の内部の状態をモニタリングできる。また、CAN(Controller Area Network)という通信規格を介して、ドアロックや窓の開閉、エンジンのオン/オフなど細部にわたる制御も可能になっている。OBDは通常、自動車の点検・整備時に利用するものだが、OBDの活用により自動車の状態のリアルタイムモニタリングを行い、エコドライビングに活かそうというわけである。

写真がOBD装置
写真がOBD装置

橋本清治(はしもと・せいじ)

IT業界での30年の経験を生かし、某外資系通信機器ベンダー勤務の傍ら、エムアンドエムリサーチを運営。主に海外の通信事情リサーチやベンダーの日本進出の支援を行う。現在は特に韓国のモバイル通信事情を注視している。表面的な事実の調査だけでなく、必要があれば現地調査も行う行動派リサーチャ。“真実は体で確かめる”が身上。コンタクトはinfo@mmrjp.comまで

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