アプリケーション開発、ITインフラ管理製品などを展開するプログレス・ソフトウェア(本社・米マサチューセッツ州ボストン)は2022年12月9日、オンラインで記者発表会を開催。製品戦略や日本での事業展開について説明した。
プログレスは、ネットワーク監視製品「WhatsUp gold」を開発したイプスィッチ(Ipswitch)を2019年に、構成管理ツールを手掛けるシェフ・ソフトウェア(Chef Software)を2020年に買収するなど、M&Aによる製品ポートフォリオの拡充を進めてきた。
さらに2021年11月のケンプ・テクノロジーの買収によりロードバランシング製品の「LoadMaster(ロードマスター)」とネットワークトラフィック分析/セキュリティ対策製品「Flowmon(フローモン)」をラインナップに加えている。
日本での事業戦略を説明した市原裕行氏は、「ケンプ・テクノロジー時代は、日本での事業はほとんど代理店に任せきりで、ベンダーとしての働きかけが弱かった。プログレスに移ったのを機に、LoadMasterとFlowmonのブランディングを強化していく」と述べ、この2つの製品について「我々が現在主力として展開しているWhatsUp Goldとともに最重要製品と位置づけ、ビジネスを拡大していく」と強調した。
プログレスの製品ポートフォリオ
米国本社のバイス・プレジデント(製品戦略担当)であるジェイソン・ドーバー(Jason Dover)氏によれば、LoadMasterは、ロードバランシングに必要な機能を標準搭載し、優れたコストパフォーマンスを持つ。Webアプリケーションファイヤーウォールなどのセキュリティ機能も搭載している。
また、Flowmonは、ネットワークに問題が生じた場合、その原因がネットワーク自体にあるのか、ソフトウェアやクライアントにあるかなどを探っていくことができるネットワークモニタリング製品だ。さらにもう1つ、「ネットワーク上のセキュリティ上の問題を検知できる」機能も有しており、NDR(Network Detection and Response)としての役割も果たすという。
ドーバー氏は「NDR製品は、2025年まで年平均18.5%の成長が期待できる有力分野」だとしたうえで、Flowmonについて「これからの当社の主力製品になっていく」と語った。
プログレスは日本ではすべて代理店経由でビジネスを展開しているが、市原氏は「お客様のカバレッジを広げ、販売機会の逸失をなくしてくことが課題だ」とし、「パートナーと協力して北海道から沖縄まで日本全体をカバーできるようにしていく」と説明。
特に力を入れるのが、パートナーのソリューションとの組み合わせだ。例えばデルのオブジェクトストレージ製品とLoadMasterを組み合わせたソリューションを日本でも展開しているほか、Flowmonとデルのストレージ製品を組み合わせた「ランサムウェア対策ソリューション」も開発中だという。