<特集>Wi-Fi6E徹底解説Wi-Fi 6E時代の無線LAN選び AI/クラウドの運用効率化をセット

企業はWi-Fi 6Eの解禁で新たに500MHzもの帯域幅を利用できるようになる。多くの端末やトラフィックを贅沢に使えるようになるが、効率的に運用するためAIやクラウドなどを積極的に活用するべきだ。

新たに6GHz帯を利用する無線LAN規格「Wi-Fi 6E」の登場により、企業ネットワークはより進化する。

現在の2.4GHz帯と5GHz帯で合計560MHz幅の帯域が用意されていたWi-Fiだが、2022年の秋頃には、6GHz帯のうち500MHz幅が新たに利用可能になる見込みだ。

広帯域化による効果はもちろんのこと、利用者が少ないクリーンな帯域であることから、安定的な高速・低遅延ネットワークを実現できる。

「免許不要のアンライセンスバンドであるため、絶対に大丈夫とは言えないが、今までWi-Fiを使うには不安だと思われていたミッションクリティカルな領域でも利用しやすくなる」とシスコシステムズの前原朋実氏は期待する(図表1)。

図表1 Wi-Fi 6Eの無線的特徴
図表1 Wi-Fi 6Eの無線的特徴

病院や工場などでは特にインパクトが大きい。「製造現場ではWi-Fiのネットワークを情報システム部門だけでなく、生産技術部門などの現場でも構築している。そのため、互いに干渉しないようにルールを決めて運用しているが、現状は完全にチャネルが飽和しており、干渉を避けるのが困難になっている。そこで干渉を比較的気にしないで済む6GHz帯が開放されたことは非常に大きい」とシスコシステムズの荒谷渉氏は話す。

しかも、Wi-Fi 6Eは対応デバイスの普及も今までのWi-Fi規格よりハイペースになる見込みだ。Wi-Fi Allianceの予測によると2021年から2024 年にかけて約5倍になる(図表2)。

図表2 Wi-Fi 6E 対応デバイスの出荷予測

図表2 Wi-Fi 6E 対応デバイスの出荷予測
「すでにWi-Fi 6Eが解禁されている米国では、対応APの需要が非常に大きくなっている」とネットギアジャパンの杉田哲也氏は語る。Wi-Fi 6Eは企業ネットワークを変革する存在になるだろう。

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