ファーウェイは脱炭素志向、WDMが前モデルから最大60%消費電力削減

2022年6月15日から幕張メッセで開催している「Interop Tokyo 2022」。ファーウェイブースではキャリア/データセンター(DC)向けのWDM(高密度波長分割多重方式)システム製品が紹介されている。長距離の大容量通信で使われるWDM製品だが、脱炭素やSDGsなどを背景に省電力化が求められている。

通信キャリア網におけるアクセス回線の収容局からバックボーンネットワークまで、またはデータセンター間など、数kmから数百km以上離れた拠点に伝送するために欠かせないのが、1本の光ファイバーに複数の異なる波長の信号を多重化するWDM(光波長多重)光ファイバー伝送装置だ。

近年、通信キャリアやデータセンターではトラフィック増加に伴う装置数と光ファイバー接続数、およびそれらを運用するための電力消費の膨張が課題となっている。さらに世界的に脱炭素への要請が強まる中で、ファーウェイの新しいWDM製品ポートフォリオである「OptiXtrans」シリーズは、消費電力の削減に注力して開発された。

 

  OptiXtrans WDMポートフォリオ 
 
 「キャリアやISPでは伝送容量が増加し、複数の伝送方法に対応する必要が出てきており、消費電力が増加している。そこで我々はOCX(光クロスコネクト)技術を開発した。WDMではルーティングする際に、光信号から電子信号に変換する必要があり、それが大きな電力消費を招いていた。OCX技術では光信号のままルーティングが可能になる」(ファーウェイジャパン 法人ビジネス事業本部 李一鶴氏)。OCX技術の採用により、メトロネットワーク向けのWDM装置では消費電力を最大20%削減可能としている。

また、バックボーンネットワーク向けのWDM伝送装置「HUAWEI OptiXtrans OSN 9800 P32C」ではOCX技術に加えて、ラック内のボード間接続に「オールオプティカルバックプレーン技術」を採用。

通常のバックボーン向けWDMでは各ボードを光ファイバーで相互接続する必要があり、電力とスペースの膨張を招いていた。それを「光ファイバーをボードの背部に集約し、ポリマー素材上で電子回路のように組み合わせることで各ボード間での接続を効率化できた」と劉氏は説明した。これにより、ファーウェイの前モデル製品に比べて最大で消費電力を60%、スペースを90%効率化することができるという。

 



 オールオプティカルバックプレーン技術により光ファイバーを組み合わせている様子
 HUAWEI OptiXtrans OSN 9800 P32Cでは
ボードの背側に各ファイバーを集約し相互接続している。

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