「5G最大のチャレンジはミリ波だ」、キーサイトが強調

全世界で5Gビジネスが活発化している。日本でもラグビーW杯に合わせてプレサービスの開始が予定されている。5Gのテストソリューションなどを提供しているキーサイト・テクノロジーはミリ波こそが最大のチャレンジだと語った。

通信事業者向けのテストソリューションなどを提供するキーサイト・テクノロジーは2019年4月12日、「5G 商用化に向けたグローバルでの取り組み」と題した記者説明会を開催。同社代表取締役のチエ・ジュン氏は「5Gはこれから数年かけてグローバルで120兆円のビジネスインパクトがある」と話したうえで、5Gビジネスに向けたキーサイトの取り組みを説明した。

キーサイト代表取締役のチエ・ジュン氏

5Gで初めて使われる「ミリ波」

韓国や米国でいよいよ始まった5Gサービスだが、「最も技術的にチャレンジしているところは、従来のRF波ではなくミリ波のテクノロジーだ」とチエ氏は指摘した。
5Gでは従来の携帯電話システムでは利用されてこなかったミリ波も活用する。日本でも総務省が4月10日、3.7GHz/4.5GHz帯に加えて、ミリ波の28GHz帯を携帯各社に割り当てた。

5Gで使われる周波数

日本と韓国、アメリカは世界に先駆けてミリ波の活用にチャレンジする

キーサイト ワイヤレステストビジネス ヴァイスプレジデントのカイラシュ ナラヤナン氏によれば、「アメリカではすでにベライゾンがFWA(Fixed Wireless Access:固定無線アクセス)用途でミリ波による5Gサービスを12以上の都市で提供している」。ただ、「今後、スマートフォンなど端末が移動する場合でも安定して使えるか。サッカー観戦時のように、人が密集しているところでもQoSを担保できるかが課題になる」と解説した。

キーサイト ワイヤレステストビジネス ヴァイスプレジデント
Kailash Narayanan(カイラシュ ナラヤナン)氏

そのため、世界的にはサブ6GHz帯から5Gの展開は進んでいくというが、「2022年までにはミリ波の導入が進むというレポートもある」とナラヤナン氏。そして、チエ氏は「ミリ波はもともとレーダーなど国防技術に使われていた。テスト手法などもまるっきり変わるが、キーサイトはミリ波の取り扱いに関しては40年以上の歴史がある」と、ミリ波による5Gの早期本格展開に同社が貢献するとアピールした。
さらに、「すでにBeyond 5Gに関する議論も始まっており、将来的には200GHz帯まで使うといった展望もある。キーサイトはテラヘルツ帯までリサーチを進めており、お手伝いできる自信がある」(チエ氏)とも話した。

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