「IoT/AIでフィジカルとデジタルの世界を融合」、米PTCのへプルマンCEO

PTCジャパンは2019年3月26日、米本社CEOのジム・へプルマンCEOの来日にあわせ、メディアブリーフィングを開催した。CADとPLMを主軸にしてきた同社だが、「IoTとAIの会社」に急速に変貌しつつある。

「CADとPLM(製品ライフサイクル管理)の会社で、IoTとARも一部やっている――。それが多くの方のPTCのイメージだと思う」

米PTCのジム・へプルマン社長兼CEOがこう話したのは他でもない。PTCの事業構造は今、大きく変化しているからだ。

CADとPLMも引き続き成長していくが、2020年にはIoT事業がCAD事業を上回り、同社にとって「最大のビジネスになる見込み」だという。また、AR事業も拡大しており、「PTCはIoT/AIの会社と言えるようになる」とした。

PTCの新規のソフトウェア売上の推移
PTCの新規のソフトウェア売上の推移と将来予測

PTCは2016年にロゴを刷新した。へプルマン氏によれば、新ロゴは「フィジカルの世界とデジタルの世界の融合」を表している。

PTCの現在のロゴ
PTCの現在のロゴ

PTCはこれまで、プロダクトの設計とライフサイクル管理をデジタルツールによって支援してきた。さらに、「IoTとARを組み合わせることで、フィジカルとデジタルの世界をハーモニーのように、ずっとつなげたままにできる」。

ロゴに込められたPTCの戦略
ロゴに込められたPTCの戦略

CAD、PLM、IoT、ARの組み合わせによって可能になるのは、例えばこんな世界だという。

ARグラスを付けた従業員が製品の前に立つと、IoTによって得られた情報をもとに、警告がARで表示。CADデータを使って、どこにある、どの部品の交換が必要かも拡張現実として表示され、さらに部品の発注もARの操作で行える。

「製品、プロセス、人がスマートにつながることで、非常に大きな変革がもたらされる」

IoT/ARは幅広い用途で活躍するが、なかでも工場とアフターサービスの領域が伸びているという。「作業効率は大幅にアップするだろうし、ミスもなくせる」

定年退職するベテラン社員などの技術を伝承するためのARソリューション「Vuforia Expert Capture」を近く正式発表することもへプルマン氏は明かした。エキスパートの社員がMicrosoft HoloLensを付けて実際に作業を一通り行い、その後に編集作業を実施することで、技術伝承用のARコンテンツを作れるという。

PTCのARソリューション
PTCのARソリューション

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